お知らせ詳細
2024年11月27日
人を大切にする経営学会メールマガジンに掲載されました
人を大切にする経営学会様11月25日配信のメールマガジンにて、代表取締役男澤誠の寄稿文が掲載されました。 今年3月に第14回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 審査委員会特別賞を受賞させていただいたことから今回の機会を頂戴しました。 これまで関わってくださった皆様への感謝も込めて、紹介させていただきます。
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「ものを想う。ひとを想う。」
株式会社スリーハイ
代表取締役 男澤 誠
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第14回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞にて審査委員会特別賞を賜りました株式会社スリーハイの男澤と申します。
当社は、神奈川県横浜市に本社を構える産業用ヒーターソリューションカンパニーです。港町ヨコハマのイメージとは異なり、市内一農家の多い都筑区の東山田という場所で町工場を営んでおります。
スリーハイという社名は、
「High Technology(技術)・High Touch(接客術)・High Fashion(創造術)」という3つの価値から成り立っており、先代の創業以来"世界に通用するものづくり"を通じてオーダーメイドでお客様の熱のお困りごとに向き合ってまいりました。
そして30周年を迎えた2020年、この価値をさらに高めるために
「HIGH TECH more GLOBAL」
「HIGH TOUCH more HUMAN」
「HIGH FASHION more SOCIETY」 との再定義をいたしました。
中でも最も重要視したのが"more HUMAN"です。
時はコロナ禍。
多くの方が命の危険に遭い、人と人が実質的距離を取り、情報が錯綜し、時に価値観の衝突が起こりやすい世の中へと急変しました。同時に、オンラインやDX化が一気に加速した時でもございました。
熱のお困りごとがあればすぐに駆けつけることを信念としていた当社でも、従来のやり方では進められないことが増え、オンライン化による効率の良さを感じる場面もありましたが、そんな時だからこそ、より一層強く感じたのが人の大切さ、あたたかさです。
かつて、当社は主要顧客の倒産により経営危機に瀕したことがございました。
創業者である父と入社したばかりの私は1年以上収入のない時期が続きましたが、その状況下でも従業員と仕入れ先を第一に行動していた父の姿と愚直なまでのものづくりへの想いは、今でも私の道標となっています。いついかなる時でも、"人なくしては企業なし"ということを背中で学んだおかげで、急激な社会変動の中でも大切にすべきものを見失うことなく皆で乗り越えてこられたように思います。
取引先、地域、従業員やその家族、見学に来てくださる他社・他国の方々や子どもたち、そしてそこにつながる大勢の方々など、我々が大切にしたい「人」は、お客様だけではございません。
住宅・農家・そして我々のような工場等が共存する準工業地域は、トラブルも起こりやすいと耳にし、当社では2017年に工場の一部をカフェにして地域に開けた場所としました。
そして周辺企業と協力し「東山田こどもまち探検」という工場見学ツアーを実施したり、農家の規格外野菜と食品工場のロス食材を使用して地域住民が月1食堂を開いたり、公立学校の職場体験や国内外のインターン生を受け入れたりと、周囲と関わりを大切にすることで関係形成ができ、今ではこの環境が当社の強みとなっています。地域に知られることで地域住民からの就労希望者が増えたことも利点と言えると思います。
皆様に支えられここまで歩んで来られたスリーハイは、当社が得意とする「温める」を通して役立ち還元していくことが使命です。人の数だけ人生があるように、企業の数だけお困りごとも異なります。 関わる人が多くなるほどに、温まる方法も多岐にわたります。
長年の悩みが解消されたと安堵の表情を見せてくださったお客様、
小さなネジを、小さな手で握りしめて宝物だと言ってくれた地域の子どもたち、
障害がありながらも自身の得意を活かしコツコツと細かな作業を担う従業員の姿や、
大仕事をやり遂げた社員のひと回り大きくなった背中、
そのひとつひとつが当社の財産であり、私の誇りです。
これからも、全てのステークホルダーの皆様へ感謝を忘れずに、とことん温め、日本が誇る「ものづくり」を世界そして未来へ、仲間とともに紡いでいきたいと思います。