ヒーターブログ

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どれを選べばいいの?温度制御装置のお話 vol.1

こんにちは、スリーハイの松本です。


朝晩はだいぶ冷えてきましたね。

ところでみなさま、冬の準備はもうお済みでしょうか。


そう!冬になり気温が低下すると...


・配管の凍結してしまう

・液体が固まってしまう

・雪を融かしたい


など、毎年のことですが頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

そんなときに役立つのが「ヒーター」ということになるわけですが、今回はそのヒーターを安全にご使用していただくための温度制御装置の種類についてお話します。



温度制御装置の種類を知ろう!

温度制御装置といってもさまざまなものがございます。

種類は?精度は?大きさは?価格は?など疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?


今回はどのような種類があるのか、2つの温度制御装置についてご説明します。



1.バイメタルサーモスタット

バイメタルとは、熱膨張の異なる2種類の金属を貼り合わせたもので、温度変化によってこの金属板が湾曲する性質をもっています。


この性質を用いてスイッチのオンオフを自動的に切り換え温度調節する装置のことを、「バイメタルサーモスタット」といいます。

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バイメタルサーモスタットの主な使用用途

バイメタルサーモスタットの主な使用用途には次のようなものがあります。


・温度調節

・過昇温防止

・温度検出


私達の身近なところでは、こたつ、アイロン、ヘアドライヤーなどの電化製品にも入っています。


こたつの中でカチッカチッという音を聞いたことはありませんか?

これはバイメタルが働いている音です。


こたつの温度が上がる→バイメタルが湾曲して接点が離れる→OFFになる

こたつの温度が下がる→バイメタルが元に戻り接点が接触する→ONになる


こたつの内部では常にこの動きを繰り返して温度を保持しているのです。


ちなみに、一度OFFになって温度が下がったら自動的にONになる自動復帰型と、スイッチを押さないとONにならない手動復帰型というものもあります。


自動復帰型→温度調整

手動復帰型→過昇温防止


として使われています。


過昇温防止は、何か不具合等が生じて温度が上がってしまったケースが多いので、復帰しては困りますよね。


スリーハイのヒーターにもこのバイメタルサーモスタットを取り付けて、ヒーター温度を制御させることができます。

ヒーター導入の際には、このバイメタルサーモスタットも検討してみてください。

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バイメタルサーモスタットを使用する利点

バイメタルサーモスタットは数千円で取り付けることができます。

低予算で温度制御や安全管理ができることは大きなメリットですね。


また大きさは1円玉程度のものもあり場所をとりません。


バイメタルサーモスタットの精度

さて、気になる温度精度に関してですが、細かな精度を求められるようなケースには向いていません。

例えば、昇温スピードの速いヒーターを制御させる場合、バイメタルサーモスタットがOFFの状態でも温度が上がり続けてしまう現象が起こります。

これをオーバーシュートと言います。(オーバーランと言ったほうがわかりやすいでしょうか)

どのくらいオーバーシュートしてしまうのか、温度精度の詳細については次号以降で実際に検証してみたいと思います。



2.温度コントローラー

温度制御装置には、任意の温度に可変できる温度コントローラーがあります。

温度コントローラーには、デジタルタイプとアナログタイプがあり、ヒーターの使用用途により向き不向きがあります。


一般的に、


アナログ式→アバウトな温度管理向き

デジタル式→より精度の高い温度管理向き


とされています。



温度コントローラーの主な使用用途

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例えば、ホッパータンク内の液体の温度を保温する場合、タンクにヒーターを巻きつけて加熱します。


ある液体は40℃が適温であったり、またある液体は50℃が適温だったり、内容物によって最適な温度が違ったりします。

また季節(気温)によってヒーターの温度を上下させなければいけない場合もあります。


そのような場合は温度コントローラーがありますと、指一本でヒーターの温度を変えることができるので便利ですね。



温度コントローラーをより詳しく! 「monoone+」を例にご説明

一言で温度コントローラーといっても多種多様ですので、今回はスリーハイの製品(デジタルタイプ)を例にご説明いたします。

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デジタル温度調節器「monoone+」(モノワンプラス)

https://www.threehigh.co.jp/products/dt_control/monooneplus.php


この温度調節器の制御方式はON/OFF式です

ON/OFF制御とは・・・


・設定した温度に到達→出力OFF(ヒーター温度が低下する)

・設定した温度を下回る→出力ON(ヒーター温度が上昇する)


この繰り返しでヒーターの温度を一定に保持させます。


ONの状態

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OFFの状態

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温度コントローラーを使用する利点

温度コントローラーを使用すると次のような利点があります。


・ヒーターの温度を任意で変えることができる

・ヒーターの温度を目で確認することができる

・1台でさまざまなヒーターの制御に使用できる


ちなみに今回ご紹介したmonoone+はハンディタイプにもかかわらず過昇温防止機能が付いています。

これは万が一ヒーターが設定温度以上になった場合、強制的に出力をOFFにする安全機能です。


温度コントローラーの精度

デジタル式とアナログ式とで温度精度に違いがあることは前述の通り。

実際にどのくらい違いがあるか、このあたりも次号以降でご説明いたします。

デジタル式で言いますと、温度精度はかなり良くなります。

設定した温度で誤差も少なく制御することができます。

但し、デジタル式でもON/OFF制御の場合オーバーシュートは発生します。

このオーバーシュートはPID制御で抑えることができます。


ON/OFF制御とPID制御とは何か?


車のブレーキで例えますと、

ON/OFF制御はゴール地点(設定温度)でいきなりブレーキをベタ踏みする感じです。

車は急には止まれずゴール地点(設定温度)から離れたところで止まってしまいます。


一方PID制御は、ゴール地点(設定温度)の手前で速度を落としながらゴール地点を目指します。

当然のことながらゴール地点(設定温度)できっちり止まります。


より精度を高めたい場合は、このPID制御を搭載した温度コントローラーを選ぶことになります。


ちなみにスリーハイのPID制御が搭載された温度コントローラーは

・monoone-120

・monoone-200

の2機種となります。


<ヒーターと温度コントローラーの接続例>

image015_20171013.png

まとめ

今回は温度制御に関するお話をほんの少しさせていただけましたが、いかがでしたでしょうか。


ちなみにバイメタルサーモスタットと温度コントローラーをダブルで使うこともできます。

通常の温度制御は温度コントローラーで行ない、万が一ヒーターが暴走したときにバイメタルサーモスタットで止める方法ですね。


ここでおさらいを兼ねて問題です!

上記のようにヒーターが暴走した場合、適切なバイメタルサーモスタットは自動復帰型?手動復帰型?


答えは、手動復帰型ですね。


スリーハイではヒーターの使用目的やご予算に応じて、温度制御についてもご提案させていただきます。


今回ご紹介しました温度コントローラーの詳細はこちらをご覧ください。

http://www.monoone.jp/

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