- 簡単な物理のはなし
熱放射(熱輻射)とは?熱の伝わり方についてのおはなしvol.2
2017年09月21日
松本 英嗣
こんにちは、スリーハイの松本です。
今回は前回に引き続き「熱の伝わり方」についてです。
前回のおさらい
熱の伝わり方には「熱伝導」「対流」「熱輻射」の3つがあるというお話をしました。
前回の記事まだ未読の方は「熱伝導とは?熱の伝わり方についてのおはなしvol.1」をぜひご覧ください。
その中でも「熱伝導」についてお伝えしました。
熱伝導は熱が直接個体を温めるという内容でしたね!
今回はその中でも一番耳慣れないワードであろう熱放射(ねつほうしゃ)またの名を「熱輻射」(ねつふくしゃ)についてお話をしたいと思います。
熱輻射とは?身近なところにある熱輻射は太陽です。
熱輻射とは、物体から熱エネルギーが電磁波として放出される現象。
いまいちピンときませんね...
最も身近な例が「太陽」です。
太陽が出ると温かいですよね?これは小さな子どもでもわかる話しかも知れませんが、ではなぜ「太陽が出ると温かいの?」と聞かれると意外と答えに困ってしまいませんか?
太陽の表面の温度は約6,000度と言われています。ちょっと想像もつかない温度です。
「まあ6,000度もあればそりゃあ地球も温まるんだろう」というのは不正解です。
太陽はそれほど近い距離にはありません。例えば太陽と地球の間は温かいかというと宇宙は裸ではいられないほど温度の低い空間ですよね。
太陽の熱は熱くない?当たってはじめて発生する熱が熱放射
実は太陽から感じる熱は、電磁波が地球に届き、地表に当たることで発生している温度なんです。
そうです。あくまで放出される電磁波が空間を伝わりなんらかの「物体」に当たることで熱が発生します。
太陽が出て温かく感じられるのはこの熱輻射によるものなのですね。
地面が一番温かいという訳です。
私たちの身近な熱放射を利用したもので他には...
電磁波を対象に当てて温める電子レンジや、ストーブ自体が熱いので勘違いしがちですが熱輻射の代表的なものです。
ちなみにオーブンは直接の熱で温めるので、熱伝導です。
オーブンは熱伝導、電子レンジは熱輻射と覚えると仕組みがわかりやすいかも知れません。
熱輻射の事例&ヒーターのご紹介
熱が空間を伝わりものを温めることはお分かりいただいたかと思います。
スリーハイではお客様からさまざまなお問い合わせをいただきます。
その中にはこの熱輻射で温めるケースも多くあります。
では、この熱輻射を利用したヒーターの実例をいくつかご紹介したいと思います。
【事例1】
BOX内制御機器の温度管理
冬になると外気温の低下により制御機器も冷えてしまいご動作を引き起こすことがあります。
そこで!
ヒーターを内部で設置することでBOX内の温度を上げることができ、機器を正常に保つことができるのです!
狭いBOX内でも薄型の面状ヒーターであれば場所をとらず設置することができます。
【アルミ箔ヒーター】
粘着テープ付きで簡単に施工可能です。
自由設計でご希望のサイズ、形状に加工することができます。
【事例2】
塗装面の乾燥
小さな塗装範囲であれば乾燥機に入れず面状ヒーターを用います。
大容量の乾燥機を使わずに済むため省エネにもつながります。
この場合、ヒーターを金属板に貼り付けて、金属板から熱を放出させます。
「熱伝導」→「熱輻射」の合せ技ですね。
【シリコンラバーヒーター】
自由設計でご希望のサイズ、形状に加工することができます。
200℃まで昇温可能。
ちなみに、ヒーターの温度管理にはモノワンシリーズがオススメです。
このモノワンシリーズの特長についても次号以降で詳しくお話ししたいと思います。
まとめ
今回は3つの熱の伝わり方の1つ「熱輻射」について少し触れてみましたが、いかがだったでしょうか?
電磁波という単語がでてきましたが、電磁波と聞くと「携帯電話から出るものでしょ?」と思っていらっしゃる方も多いかと思います。
太陽の光が電磁波であることや、そもそも熱は電磁波によって移動していることを考えると、私たちは電磁波の中で生活していることになりますね。
ちなみにお肌の大敵である紫外線は電磁波の一種です。
スリーハイのヒーターは空間を温めるための熱源としても有効です。
スリーハイのヒーターや製品に関するお問い合わせも承っています。
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