- ヒーター活用例
あたためるとくっつきやすくなる。接着剤用予熱ヒーター
2020年01月22日
男澤 誠

動画共有サイトのYouTubeで、胸がきゅんとなるようなラブストーリーが話題になっています。制作したのは、瞬間接着剤で知られるメーカーです。まずはどんな動画かご覧ください。
このインパクトのある動画は今では累計で1000万回以上も閲覧されていて、公開直後はTwitterでトレンド入りをするほどの大きな反響を呼びました。。たしかに、ストーリーも絵もクォリティーが高く、ついつい最後まで見入ってしまいます。何より、接着剤とラブストーリーの異色コラボは斬新です。企画・制作した接着剤メーカーの意気込みには頭が下がります。
ところで、動画の中で接着剤はあたためるとくっつきやすくなると説明するシーンが出てきます。ヒーターの製作をしている私たちは、このシーンについ目がとまり、心の中でうんうんと言いながらうなずいてしまいます。なぜかというと、接着剤を使って部品と部品をくっつけるときはあたためておくとよいことを知っているからです。さらに言うと、部品をあたためるための接着剤用ヒーターを作って提供することもできるのです。
今回は、接着剤を使って部品と部品をつなげるのに役立つ予熱ヒーターという製品について紹介します。
接着剤には部品をあたためておくとくっつきやすくなるものがある
接着剤には用途や扱う素材によりさまざまなものが市販されています。身近な接着剤として、のりやボンドといった粘着性のある半固形状のものや、プラモデルなどプラスチックに使用する液状のものなどが思い浮かぶでしょう。こうした市販の接着剤は、チューブ上の容器に入っていて、蓋を開けて塗布するだけで手軽に接着でき、取り扱いも簡単です。
一方、金属の配管同士をつなげたり、異種金属をつなげあわせたり、木材などの有機材料の修復したりするといった、工業製品用に用いる接着剤には特殊なものがあります。たとえば、熱を加えると化学反応が促進して接着能力が上がり、塗布後に温度を下げていくと硬化して剥がれにくくなる性質をもつ接着剤です。また、接着面に付着している水分を熱をかけて乾燥させると、硬化する時間が早められる性質をもつものもあります。
こうした熱をかけると接着効果が上がる接着剤を使用するときには、接着したい部品をあたためておく「予熱」作業が必要となります。そのためには、専用のヒーターを用意しなければなりません。いったいどんなヒーターがあればよいのでしょうか。
工業用部品の接着に便利な予熱ヒーター
部品を加熱して接着力を高める接着剤を使用するときに役に立つのが予熱ヒーターです。
予熱ヒーターは電気ヒーターの一種で、柔軟性のある素材を使用して部品に巻き付けやすい形状をしているのが特徴です。ヒーターの素材は主にシリコンやアルミ箔を使用し、形状は平板や帯のほか、らせん状のコードにしたものなどがあります。配管のような円筒部品同士の接着であれば平板のシリコンラバーヒーターや帯状のシリコンサンドヒーター、異種金属同士の接着には熱伝導性が優れているアルミ箔ヒーター、そして細長い形状の部品の接着にはらせん状のシリコンスパイラルヒーターがそれぞれ適しています。
予熱ヒーターを調達する際は、接着したい部品の形や大きさに合ったものを用意しなければなりません。そのため、予熱ヒーターを注文するときは特注品扱いになります。どんな部品を接着したいのか、そしてどのような形状をしているのかを聞いてから製作に入ります。また、発注の際はヒーターのほかに、計測用の温度センサーと加熱制御のための温度コントローラーもいっしょに注文する必要があります。
接着したい部品に適した予熱ヒーターがあれば、工業製品の皮質や生産性の向上、さらには修理の効率化に大いに役立ちます。接着剤のよき相棒として活躍してくれることでしょう。
ラブラブな気持ちをあたためられるヒーターも作れたら
業務用ヒーターの製作をしている私たちは、さまざまな機械や部品をあたためることで暮らしを豊かにし、人々に幸せを与えることを目指しています。冒頭で紹介した動画を見ていて、モノをあたためるだけではなく、ラブラブな気持ちをあたためて二人の愛を高められるヒーターを作れたらすばらしいと思ってしまいます。愛をあたためられるヒーターがあれば、多くのカップルを幸せにできるからです。愛のキューピッドになるようなヒーターは想像するだけでも夢が膨らみます。もし本当に発明したらノーベル賞ものですね。
人々の生活をよりよくできるヒーター作り、これからも励んでまいります。
そうそう、冒頭で紹介した動画には続編があります。こちらも胸アツです。
さらに続編がもう一本あります。
弊社でもこんな動画を作れたらなと思っています。

- 男澤 誠
- 代表者である前に一人の人間として誰にでも平等に接するように心がけています。お客様、従業員がスリーハイを大事にしてくれる、そんな企業を目指しています。