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プラスチック加工現場の今(2) 射出成形機からの熱放出対策に広がり見せる断熱ジャケットの活用

前回は、プラスチック加工現場で使われる射出成形機から放出される熱が、経費や作業現場環境に影響を与えている現状と、その打開策として断熱ジャケットの活用が有益であることを説明しました。シリーズ第2回の今回は、弊社の断熱ジャケットについて、取り付け方を中心に詳しく紹介します。

ガラスクロス製で取り付けが簡単

弊社製の断熱ジャケットは、素材にガラス繊維を縫製したガラスクロスを採用しています。ガラスクロスは断熱材として広く用いられている素材です。

この断熱ジャケットは、内側に取り付けるインナージャケットと、その上に被せるアウタージャケットの二枚で構成されています。

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アウタージャケットには、取り付けしやすいようにベルトと面ファスナー(マジックテープ)、そして締め付け具合を調節するための紐を縫い付けてあります。

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取り付けは一人でできます。配管やシリンダーに見立てた内径200ミリの筒に、断熱ジャケットを取り付けるデモ動画を撮影しましたのでご覧ください。

動画で使用している断熱ジャケットの大きさは次の通りです。

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長いシリンダーの場合は、上のサイズくらいの断熱ジャケットを横一列に並べて取り付けます。大型サイズのジャケットを使うこともできますが、破損すると取り替えに費用がかかります。小型サイズにしておけば、一部を取り替えるだけで済むので費用を安く抑えられます。

インナージャケットとアウタージャケットの二枚重ねにすると、一枚重ねにするよりも利点があります。ひとつは、熱を外部へ放出するのを抑えられ、内部に閉じ込める効果が増します。布団を二枚重ねにすると中が温まりやすくなるのと同じです。もうひとつはメンテナンスです。断熱ジャケットは長期間使用するといずれ交換しなければなりません。その際、状況によりインナーまたはアウターのジャケットのいずれかを交換すればすみます。二枚重ねならではなの断熱効果を保ちつつ、維持費を安上がりできます。

シリンダー周りのケーブル配線を外に出せる加工も可能

射出成形機のシリンダーに断熱ジャケットを巻き付ける際に気がかりとなるのが、プラグ接続やケーブル配線の対策です。シリンダーにケーブル類が接続されていると、配線の回り込み対策をしなくてはなりません。できることなら、ジャケットの一部に配線用の穴を開けておきたいところです。

断熱ジャケットは切り取りなどの加工が自在にできるため、配線用の穴を簡単に開けられます。

injection_molding_machine_2_4.jpg穴開け加工は自前でもできますが、あらかじめ要望通りに加工した製品を使用するほうが内部の熱を効率的に閉じ込められます。弊社では、シリンダーの大きさや接続ケーブルの有無などをお聞きした上で、最適な断熱ジャケットの設計・加工をしています。設計仕様は保管していますので、ご用命があれば同じ製品をいつでも製作・納品できます。

国内のみならず海外でも注目

断熱ジャケットを活用した射出成形機からの熱放出対策は、国内のプラスチック加工現場で注目され、弊社でも問い合わせを受けています。産業用機械からの熱放出に関する相談は、プラスチック加工以外の業種からも受けることがあります。断熱ジャケットは、今後モノ作りの現場で広く活用されていくだろうと思っています。

さらに、この断熱ジャケットは国内のみならず海外からも関心を寄せられています。特に、東南アジアのプラスチック加工現場でも、射出成形機からの熱を作業現場に放出させないようにしたいと、断熱ジャケットに興味・関心を持たれています。

第3回は、タイなど東南アジアのプラスチック加工現場でも抱えている熱放出の現状と、断熱ジャケットへの期待について取りあげます。

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