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「加熱」と「過熱」の違いは?似ているようで異なる2つの「かねつ」

こんにちは、スリーハイの斎藤です。

みなさん、「加熱」と「過熱」の違いはご存知ですか?

漢字を見れば意味くらいわかるよ!と思うかもしれません。でも、実は「なんとなく」わかっているようなわかっていないような、という方が多いと思います。

発音はどちらも「かねつ」と全く同じですし、どちらも「熱」に関する言葉ですが、似ているようで全く異なる意味を持ちます。それはまるで、ゆで卵と温泉卵の違いがあるのです!

そこで今回は、スリーハイのヒーターにも関わる「加熱」と「過熱」、どこが違うのかを調べてみました。

第3号の写真(イラスト).jpg

「加熱」とは熱を加えること

「加える」「熱」という漢字が表すとおり、「熱を加える、熱くする」という意味です。

三省堂の新明解国語辞典では
ある有効な結果を得るために、熱を使って加工したり処理したりすること。

とあるように、単に「熱を加える」という意味だけではなく、熱を加えることによる加工や処理などを含んだ意味もあるのです。

そう考えると、ヒーターなどは熱を使って作業効率を上げたり、生産性を上げたり、有効な結果を得るために熱を加える機械なので、まさに「加熱器」と言えます。

ちなみに、弊社のHPの製品ページでは、「被加熱物」なんて言葉がよく出てきますが、これは「熱を加えられる物」という意味になるわけですね。

「過熱」には色々な意味がある!

「過ぎる」「熱」という漢字が表すとおり、「熱し過ぎる」という意味です。

ただ、調べてみると「過熱」には色々な意味がありました。

①熱し過ぎること、またその熱し過ぎた状態を表す言葉。
②必要以上に、また限界以上に熱くなること。
③物事の状況が限度を超えて激しくなること。

②、③は①が転じて使われている意味になります。

さらに、辞書には(三省堂 新明解国語辞典から引用)

沸点以上になっても、液体が元のままの状態にある(ようにする)こと。
という意味もありました。

つまり沸点以上になっても沸騰させない状態にすることですね。

熱電対の「過熱使用限度温度」とは?

弊社が取り扱う熱電対(ねつでんつい)にも「過熱使用限度温度」という「過熱」の文字が入った言葉があるので、ざっくりとご紹介したいと思います。

少し専門的な話しになるので、興味のない人は飛ばしていただいてOKですよ!

熱電対とは簡単に説明すると温度差を測定する温度計のことで、この熱電対には、「過熱使用限度温度」があります。

「過熱使用限度温度」とは、どうしても常用温度以上の加熱が必要になった場合に、過熱できる温度の限度のことです。

なぜ、「過熱使用限度温度」が設けられているのかというと、熱電対素線の耐熱性の問題があるからです。

例えば、卑金属系熱電対は高温で熱酸化を起こすため、常用温度より高いところで使い続けると、熱電対がどんどん劣化し起電力が変動してしまいます。

場合によっては熱酸化によって断線してしまいますので、ご使用の環境を確認して、熱電対を選ぶことが大事になってくるわけですね!

「加熱」と「過熱」の違いは?

少し話しがそれましたが、「加熱」と「過熱」の違いは「動作」と「状態」です。

「加熱」は、熱を加えるという動作で、「過熱」は熱し過ぎた状態を表します。

液体で例えを考えると、0℃の液体を60℃にしたい場合に熱を加えることを「加熱」。

熱し過ぎて、100°Cを超えても液体が沸騰しない状態が「過熱」。というような表現で違いを表すことができます。

ちなみに、過熱状態の液体は大変不安定な状態なので、刺激を加えると急激に温度が上がり、爆発する危険があるので注意が必要ですよ!

今回のお話しのまとめ+おまけのお話し

今回は、似ているようで全く異なる「加熱」と「過熱」について調べてみましたが、いかがでしたでしょうか?

「加熱」と「過熱」の違いのポイントは次の点です。

「加熱」→熱を加えるという「動作」。

「過熱」→熱っし過ぎた「状態」。

漢字のままの意味ですが、「動作」と「状態」という点に着目してみました。なんとなくニュアンスが伝われば良いな!と思っています。

おまけのお話し

冒頭で、「加熱」と「過熱」は「ゆで卵と温泉卵ほどの違いがある!」と書きましたが、今回は、加熱と過熱について調べてる間に、「ゆで卵」と「温泉卵」の違いについても調べてみました!

卵.jpg

「温泉卵」と「ゆで卵」ってどこが違うの?

ゆで卵は冷たいお水に卵を入れて、水を徐々に加熱していき沸騰させたお湯で作ります。

通常、外側の白身から固まっていき、ゆで時間の調整によって真ん中の黄身だけを半熟にすると半熟卵になります。

その一方、温泉卵は黄身のほうが白身よりも低い温度で固まる性質を活かして作ります。

卵の卵黄は65~70℃で固まりますが、白身が固まるのは75~80℃。

温泉は65~70℃という黄身が固まらない程度の温度になっていることが多いので、このお湯につけておくと、きみだけが固まったゆで卵(=温泉卵)ができるわけです。

みなさんもぜひ、温泉卵づくりのチャレンジしてみてくださいね!とろりとしてとても美味しいですよ!

今度は、美味しい温泉卵の食べられる温泉宿を探してみようかなと思いました!

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