ヒーターブログ

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橋の建設や修理にヒーターが使われているって知ってましたか?

近年、日本では前線と低気圧の影響で記録的な大雨が降ったり、激しい暴風雨をともなう台風が上陸したりなど、数十年に一度の豪雨災害に見舞われています。豪雨による被害は甚大で、家屋の浸水だけではなく、豪雨により流されてきたタンカーが橋脚に衝突する事故や、貨物船が連絡橋に衝突して送水管を損傷するなど、橋梁(きょうりょう)を巡る事故も起きるようになりました。橋は交通や物流を支える重要な役割を果たしています。損傷すれば大がかりな修復、または再建設をしなければなりません。

実は、鉄筋の橋を建設したり修理したりする際にはヒーターが活躍しています。どんな用途にヒーターが使われているのでしょうか。

橋の建設や補修にヒーターが活躍

河川や島にかける橋を建設している現場の様子といえばどんな光景を想像しますか。ヘルメットをかぶった作業員がいて、クレーンで大きな鉄骨をつり上げたり、太い杭を打ち込んだりなど、大きな音を立てながら数多くの工程を経て、最終的には立派な橋が完成していくのを思い浮かべるのではないでしょうか。

一方で、橋を補修する工事も見かけます。長年使われている橋は老朽化が進んでいて、定期的に橋を補修する必要があるからです。老朽化が進んだ箇所は補強をして耐久性を高めることで、橋の安全性を高めています。

また、最近は橋に不慮の事態が発生して使えなくなる出来事が起こるようになりました。たとえば、大きな橋に船が衝突して橋の一部を壊してしまう事故です。そのときは、大型のクレーン船がやってきて、壊れた箇所を別の場所に移動して修復作業にあたっています。

こうした橋の建設や補修にはヒーターが活躍しています。突然ヒーターが出てきても、橋を作るのに何かあたためる必要はあるのか首をかしげてしまうかもしれません。実は、橋を作るのにヒーターは大きな役割を担っているのです。

活躍するのは溶接のための予熱作業

橋を作るのにヒーターはどこで使われているのでしょうか。答えは溶接作業です。

溶接と聞くと、作業員が顔を保護するフェイスガードををつけながらバーナーで青白い炎を出して鋼材をつなげる作業をしているのを想像するでしょう。ヒーターはこの溶接作業をする前に鋼材をあたためておく予熱という工程で使われています。

溶接は、鋼材を高温で熱することでつなげているのは知っていると思います。しかし、この作業は単純そうに見えますが、容易ではありません。技術上の配慮をしながら作業を進めていかなければならないのです。特に気をつけなければならないのは、溶接したあとです。溶接を終えると熱せられた部分は急激に温度が下がります。すると、溶接部分は急冷によって「低温割れ」と呼ばれる現象が生じます。低温割れは溶接部の強度に影響するため、丈夫な建造物を作るときの妨げになるのです。

低温割れについて詳しく知りたい方は、(社)日本溶接協会作成の「接合・溶接技術Q&A100」をご覧ください。

参考:低温割れとはどのような割れですか。どのような機構で発生するのですか。

低温割れを防ぐには溶接前に部材を予熱してあたためておくのがよいとされています。予熱をしておくと、溶接中に低温割れを引き起こすガスや水分が鋼材内部に入り込むのを防ぐことができ、溶接部の強度を高められるといいます。また、溶接部分にはわずかなひずみができ、ひずみによって生じる力が低温割れを引き起こします。このひずみの発生を少なくするのにも予熱は効果があります。

強度が必要な溶接には電気ヒーターが最適

溶接に使うときのヒーターにはガスヒーターなどさまざまなものがありますが、強度を要する部材への予熱には電気ヒーターが適しています。

電気ヒーターは時間をかけて鋼材をじっくりあたためることができるので、熱をかけるのを止めても冷めにくい利点があります。そのため、溶接を終えた後も予熱温度は急激に下がることがなく、低温割れの原因である水分やガスが溶接部から入り込むのを長時間防ぐことができます。さらに、溶接部で発生するひずみの発生も時間をかけておさえることもできます。その結果、強度のある溶接ができるだけでなく、溶接部の寿命を延ばせることができるのです。

予熱温度は鋼材や溶接条件によりさまざまですが、低い場合では50度程度で、高い場合では200度以上のときもあります。電気ヒーターもこの温度を出せる性能は十分備えています。主な製品としては、鋼材用にはシリコンラバーヒーターアルミ箔ヒーターがあります。

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また、配管用にはラバー配管ヒーターマントルヒーターがあります。

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いずれも鋼材や配管の大きさに合わせて独自設計したヒーターを用いるのが最適です。

橋のような強度が求められる溶接での予熱には、電気ヒーターはもってこいといえます。しかも、電気ヒーターは密着性のよいものが作りやすく、予熱能力を最大限に発揮できます。

高層ビルやイベント会場の建設にもヒーターは一役

橋に限らず、タワーマンションや高層ビル、商業施設などに使われる鋼材を溶接するときにも予熱ヒーターは多用されています。建設現場はシートで覆われていて、ふだん私たちは中でどんな作業をしているのか目にすることはありませんが、シートの中でヒーターは大いに活躍していることでしょう。

東京オリンピックを終えると、次は2025年に大阪万博の開催が控えています。現在、こうした世界的なイベントのためのさまざまな建造物の建設工事が着々と進められています。きっと溶接用の予熱ヒーターも一連の建造物を作るのに役立っているに違いありません。

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