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シリコンとシリコーン、ヒーターで使っているのはどっち?

弊社は、シリコンヒーターを主力製品のひとつとしています。シリコンと耳にすると、半導体や化学製品の元になっている素材かと想像がつく人も多いかと思います。ところで、これらを使った製品は、シリコンと呼ばれていたり、シリコーンと呼ばれていたりしていて、両者の区別がつきにくいところがあります。シリコンヒーターはいったいどちらの素材を用いているのでしょうか。

今回は、シリコンとシリコーンの違いと、ヒーターに使われている素材について紹介します。

半導体製品で使われているのがシリコン

半導体の材料として広く使われているのがケイ素という元素で、英語でシリコン(Silicon)といいます。シリコンは地表に大量に存在していて、安価に手に入ります。ただし、シリコンは単元素(Si)として自然界には存在していません。酸素と結びついたケイ石(SiO2)として存在します。

半導体など電子部品の材料として使うには、不純物を含まない単元素のシリコンが必要です。そこで、原材料を高度な処理技術を駆使して精製し、純度99.999999999%(イレブンナイン)という不純物が極めて少ない高純度のシリコン結晶棒(インゴット)を作ります。これをさまざまな方法で加工すると、シリコンウェハという紫色がかった薄い円板ができあがります。そして、このシリコンウェハがメモリなどさまざまな半導体製品の基本材料として使われています。

合成高分子化合物の一種がシリコーン

一方、合成高分子化合物として、シリコーンと呼ばれるものがあります。英語ではSliconeと書きます。前述のシリコン(Silicon)と比較すると、両者の違いは一番後ろにeがついているだけのため、うっかり見間違えてしまいそうです。

シリコーンも原材料はシリコンで、ケイ石を化学的に合成して精製します。精製物は、オイル、ゴム、樹脂などがあり、さまざまな分野で応用されています。たとえば、工業用ではシリコーンオイルやシリコーンゴム、シリコーングリスなどがあり、美容ではシリコーンインプラントと呼ばれる整形用の素材としても使われています。産業から医療、身近な日用品など幅広く応用されていて、言われないと気がつかないほどまでに浸透しています。

ヒーターの素材に使っているのはシリコーン

では、ヒーターに使われている素材はシリコンとシリコーンのどちらでしょうか。正解はシリコーンです。

シリコーンは柔軟性が特徴です。さらに、耐熱性、耐寒性にも優れています。これらの性質を最大限に活かしたのがシリコンラバーヒーターです。

silicon_rubber_heater.jpg

シリコンラバーヒーターは、シリコーンの柔軟性を活かすことで平板だけでなく、管や円筒状の容器といった曲面状のものでも密着させることができます。これを応用して作ったのが、ペール缶ヒーターや、ドラム缶ヒーターです。

シリコンラバーヒーターは高温での加熱にも対応します。条件により異なりますが、200度での加熱使用でも長持ちします。シリコーンの耐熱性のおかげです。

複雑な形状に加工しやすく、薄く軽量なヒーターに仕上げられるのも、シリコーンならではです。どんな形状のものでもあたためられる、これを実現できるのはシリコーンに勝るものはないと言って過言ではありません。

ちなみに、半導体のシリコンウェハは柔軟性がありません。また、多少の強度はありますが、特定の方向に力をかけたりすると割れやすいです。さすがにヒーターには使えません。

弊社ではあえてシリコンの名称を採用

シリコーンを素材としたヒーター製品を、弊社ではシリコーンではなくシリコンヒーターと呼んでいます。シリコーンヒーターにすると読みにくいなどの理由もあり、名称をシリコンにしています。

ゴムやオイルなど、他のシリコーン製品もシリコンゴムやシリコンオイルのようにシリコンと呼ぶものが多く、特に違和感がないものと思っています。

シリコンラバーヒーターは弊社が自信をもって提供する製品のひとつです。熟練のエンジニアが要望に添う製品をひとつひとつ作り上げます。「あたためたいを形に」、私たちは一丸となってヒータ作りに取り組んでいます。

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