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冬の配管凍結防止対策、白熱球投光器からヒーターで"卒"昭和

冬の季節、出張で寒冷地の工場を訪れると、凍結防止のために配管へ投光器をあてている光景をよく目にします。この光景を見るたび、白熱球の投光器を使うよりも、ヒーターで配管を温めるのほうが安全で効率的なのではと思っています。現在では低消費電力で発熱量の少ないLED投光器が多くなり、そのうち白熱球投光器はで凍結防止対策はできなくなるかもしれません。これからの時代、業務用に使用する配管の凍結防止には、ヒーターと温度コントローラーを組み合わせた製品を導入してみてはいかがでしょうか。

冬の配管凍結防止に白熱球投光器は不効率

大雪や寒波のおそれがあるとき、ローカルニュースでは水道管や配管の凍結防止対策を済ませておくよう呼びかけをしています。それを聞いて、一般家庭では就寝前に水道の蛇口を少し開き、水を流したままにして水道管が凍結を防いでいるでしょう。

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一方、工場では白熱球投光器を配管にあてるなどして対策を講じます。光源である白熱球からの熱で配管をあたためることで凍結を防ぐという方法です。

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しかし、白熱球投光器で凍結防止対策をするのは効率的ではありません。光があたっている部分にしか熱を与えられず、配管の側面全体を一様にあたためることはできないからです。また、発熱量の制御もできません。長時間照射し続けると火災事故を起こす危険もあります。

参考:展示作品火災で5歳男児死亡、出展者ら6人を書類送検

展示物の引火と配管の凍結防止とを比較するのはお門違いかもしれません。とはいえ、投光器を長時間あてていたことが原因で火災事故を起こすようなことがあれば、業務に大きな支障をきたします、

熱を与える効率や火災の危険を考慮すると、白熱球投光器を凍結防止に使うのは望ましくはないのです。

投光器は白熱球よりLED電球が主流

技術の進歩で、投光器も今では白熱球からLED電球を使った製品が主流になりつつあります。実は、LED投光器を凍結防止対策に使おうとしても、白熱球投光器の代わりにはなりません。

白熱球投光器は、白熱球の中にあるフィラメントに電流を流すと発光します。そして、同時に熱も発生します。この熱(輻射熱)を利用して配管に向けて照射することで、これまでのような凍結防止対策をしてきたのです。

これに対して、LED投光器は発光のしくみが白熱球投光器とまったく異なります。簡単に説明すると、光源はフィラメントではなく二種類の半導体を接合したLED(発光ダイオード)という電子部品を使っています。発光ダイオードに電流を流すと、接合している部分で発光現象が起きます。LED投光器は、この発光現象を光源に利用しているのです。

LED投光器は電球内部を加熱させる必要がないため、少ない電流で動作します。消費電力は白熱球投光器の10分の1程度と格段に小さく、発熱量も半分以下です。しかも、LEDは長寿命のため白熱球のように頻繁に部品交換する必要もありません。

LED電球の普及で、白熱球の生産も縮小傾向にあります。将来的に白熱球は役目を終え、市場から姿を消すでしょう。そうなれば、白熱球投光器用の白熱球も入手困難になります。今のうちに、別の方法で凍結防止対策を検討するのが賢明です。

安心、確実な凍結防止対策はヒーターと温度コントローラーの併用

そもそも投光器は光源として使うものです。加熱器具として使うものではありません。凍結防止のために配管を温めるのであれば、電気ヒーターが適しています。

凍結防止用として最も手軽なのがシリコンベルトヒーターです。ベルトの中にヒーターが埋め込まれていて、配管の側面に巻き付けることで、配管をまんべんなくあたためられます。弊社では用途に応じた3種類の大きさのシリコンベルトヒーターを製作しています。

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各種シリコンベルトヒーター

業務上、重要な役割を担っている配管であればラバー配管ヒーターを使うのがよいでしょう。配管全体を覆ってあたためるので、凍結防止対策がより確実に行えます。

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ラバー配管ヒーター

ヒーターに加えてもうひとつ大切なのが温度調節に使う温度コントローラーです。温度コントローラーがないとヒーターは加熱をし続けてしまい、火災には至らずとも配管を無用に熱くさせてしまうおそれがあります。何より、電気代を浪費してしまい、経費の無駄な出費につながります。

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弊社製温度コントローラー monoone+B(左)とmonoone+W(右)

ヒーター、温度コントローラー、そしてここでは紹介していませんが温度測定用のセンサーを一式導入すると、夜間の凍結防止に大いに役立ちます。

異常寒波に見舞われる現代、凍結防止対策にはヒーターの導入を

凍結防止対策を投光器からヒーターにする理由はもうひとつあります。近年多くなった猛烈な寒波の襲来です。気候変動の影響で寒冷前線が日本付近に停滞すると、夜間に気温が零度を下回る日が長く続くことがあります。そのような寒さの中では、投光器での凍結対策は不十分かもしれません。長時間、一定の温度で配管を温めておくには、温度調節器とヒーターを使うほうが安心で確実といえるでしょう。

工場をはじめとする生産施設では、昭和の頃から今まで凍結対策は特に何も考えず、白熱投光器を使っていれば用が足りていたと思います。令和になり、投光器も白熱球からLEDに進化するとともに、気候変動による異常寒波がたびたび起きる時代に変わりました。今後のことをふまえ、配管の凍結防止には投光器からヒーターに替えて、卒昭和をしてみてはいかがでしょうか。

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