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これでもう迷わない!産業容器用電気ヒーターの選び方 Part I 【密着加熱編】

弊社には、ヒーターの選び方についての問い合わせがよく寄せられます。中でも多いのが、容器内の液温を上げたい、あるいは保温したいという相談です。

そこで、今回と次回に分けて、産業用容器の加熱・保温に適した電気ヒーターの基礎知識と、製品の選び方について解説します。

容器内の加熱・保温の方法は3種類

容器内に入っているものを温めるには大まかに3つの方法があります。

  1. 容器の胴回りにヒーターを巻き付ける(密着させて加熱)
  2. ホットプレートの上に容器を置く(底面から加熱)
  3. 液体の中にヒーターを入れる(直接加熱)

これらのうち、弊社では1と2の方法を用いたヒーターを取り扱っています。

今回は、1の方法について弊社製品を紹介しながら説明していきます。

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容器の胴回りから加熱するにはどんなヒーターを選べばいい?

容器の外側からあたためたいときは、シリコンラバーヒーターやマントルヒーター使用します。それぞれについて、説明していきましょう。

シリコンラバーヒーター

電気ヒーターの中で最も代表的なのが、面状のシリコンラバーヒーターです。合成化学素材のシリコーンを使用していて柔軟性があり、容器にぴったり密着させることができるのが特徴です。ヒーターの熱をしっかり伝えるためには、密着度がとても重要になってきます。シリコンラバーヒーターを巻き付けて加熱したときのサーモグラフィ画像を見ると、密着している部分が一様にオレンジ色になっていて、加熱効率の良さが見て取れます。

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安全に加熱するためには、シリコンラバーヒーターのほかに、温度センサー温度調節器の3つを組み合わせて使用します。具体的には、ヒーターの表面に温度センサーを取付けて、温度調節器でヒーターの温度を制御させます。

密着度を最大限に発揮するのが、ホッパータンク用に仕立てたシリコンラバーヒーターです。下の写真は、ホッパータンクの表面全体にオレンジ色のシリコンラバーヒーターを取り付けた状態を撮ったものです。シリコンラバーヒーター特有の柔軟性を活かすと、このように円錐形にもジャストフィットします。必要に応じて、異形、切り欠き、穴あけ加工もできます。

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シリコンラバーヒーターに、シリコンスポンジを断熱材として巻いたものもあります。シリコンラバーヒーターは両面から発熱します。これに断熱効果が加わり、ヒーターの熱を逃さず効果的に加熱できます。断熱材は、誤って触れたときのやけど防止にも一役買っています。

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マントルヒーター(ジャケットヒーター)

マントルヒーターは、最高で700℃まで加熱・保温が可能なヒーターです。タンク、配管、パイプ、ポンプなどに適しています。

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次のような場合には、マントルヒーターが適しています。

  • 複雑な形状の場合
  • 高温で使いたい場合
  • クリーンルーム内で使いたい場合

弊社は、このマントルヒーターを用途に応じて設計・製造する工場を保有しています、お客様の要望に添った製品を1つから製作できます。

次回はホットプレートで温める底面加熱編

今回は容器内を温めるときの加熱方法を紹介しました。次回は、ホットプレートを使って底面から加熱する方法について取りあげます、どうぞお楽しみに。

みなさまがヒーターを選定するうえで、少しでもお力になることができれば幸いです。

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