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熱輻射の効果は?ヒーターと断熱材の密接な関係【実践編】

こんにちは、スリーハイの松本です。

熱の伝わり方には、「熱伝導」「熱輻射」「対流」の3つがあります。何かを温めるときは、これらのうちでどれが一番効果的であるかを検討し、選択するのが一般的です。しかし、いずれかひとつだけを選ぶ必要はありません。組み合わせるほうが大きな効果を発揮する場合もあるからです。

そこで今回は「熱伝導」と「熱輻射」の合せ技を紹介します。実際の効果を弊社製品である底面ヒーター「GOEMON」を用いて検証します。

底面ヒーター「GOEMON(ゴエモン)」

GOEMONは、一斗缶やペール缶の内容物を底面から加熱(保温)するヒーターです。現行製品は「GOEMON-150」で、製品の仕様など詳しくはこちらをご覧ください。

GOEMON-100

GOEMON-150

GOEMONの主な使い道として、塗料や化学薬品のような工業用に使う液体の加熱・保温があります。工業用の化学溶液の多くは、冷えてしまうと粘度が高くなる性質をもっています。粘度が高いと攪拌に必要以上に体力を要するなど、作業効率が悪くなります。そればかりか、濃度にムラができるなど品質の低下にもつながりかねません。そういった問題を簡単に解決するために開発したのがGOEMONです。

なお、GOEMONには、旧製品のGOEMON-100があり、すでに生産を終了しています。現在は、後継のGOEMON-150を製造・販売しています。

使い方は写真のように、GOEMONの上に缶を載せてから断熱カバーで覆います。

thermal_radiation2.jpg

この断熱カバーが今回のポイントです。

熱伝導と熱輻射のダブル効果

熱伝導と熱輻射にはそれぞれ次のような効果があります。

熱伝導:缶に直接ヒーターが接触することで温める。
熱輻射:断熱カバーで囲われた空気中の熱で温める。

断熱カバーがないとヒーターの熱は大気中に放出されていきます。つまり、熱を捨てていることになります。この熱を閉じ込めて熱輻射としての役割を果すのが断熱カバーです。もうお気づきの方もいらっしゃるかと思います。そう、「こたつ」です。こたつにこたつ布団がなかったら・・・。これを読んでいるのが冬だったら想像もしたくもありませんね。

実験してみましょう!

底面から加熱し、全体を断熱カバーで覆った状態で缶内(水)の温度がいったい何℃上昇するのでしょうか。実際に測定してみました。

(条件)

  • 缶:20L用ペール缶
  • 内容物:水(半分)
  • 気温:20℃
  • ヒーター温度設定:100℃

thermal_radiation3.jpg

3時間で水温が39℃、庫内温度は38℃上昇しました。

thermal_radiation4.png

断熱材がもたらす効果

実験から、断熱カバーのある場合と、ない場合とでは、水の温度に約10℃の差がでました。これは、熱輻射で水の温度を10℃上昇させたことになります。ちなみに、断熱カバーで覆った状態(ヒーターOFF)で10時間放置しても、水温は約30℃を保っていました。

断熱材を用いることで、熱を逃がすことなく効率的に加熱することができるのです。

さらに、少ない電力で大きな効果をもたらすので、省エネにもつながります。

どのくらい省エネになるの試算してみました。

缶を複数(4台)温める場合
バンドヒーター→380Wx4台=1520W
GOEMON-100 →680Wx1台=680W

毎月の電気料金は...
(1日5時間x30日間 1kWh単価27円で計算)

・バンドヒーター(1520W)→6,156円
・GOEMON-100(680W)→2,754円

毎月3,402円の差が出ることになります。この差は大きいですね。

もうひとつ付け加えると、断熱カバーがあることで直接ヒーターに触れることがないので火傷防止にもなります。まさにいいことづくし!です。

いかがだったでしょうか。

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