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精米業者に新提案!面倒な米ぬか除去はヒーターにお任せ

家庭での食事や仕出し弁当などで欠かせないのが白米です。白米は、精米業者が精米機を使って、玄米から白米に加工して卸しています。

さて、精米業に関わる人たちは日頃の作業で、ある難題を抱えています。精米機の中に付着する米ぬかの除去です。付着した米ぬかは、定期的に手作業で清掃しなければならず、時間と労力がかかります。この清掃作業を見直したいと考えてはいるものの、よい方法が見つからないといいます。結局、従来通りの手作業を続けているのが実状です。

付着した米ぬかの除去には、ヒーターでの加熱が威力を発揮します。そこで、精米業者にとって朗報ともいえる、ヒーターを用いた精米機中の米ぬか除去について紹介します。

精米機内の米ぬか付着は悩みの種

日頃から口にする白米は、原料となる玄米から糠(ぬか)、つまり米ぬかと、胚芽(はいが)を取り除いたものです。玄米から白米にするまでの一連の作業を精米といいます。精米するには、精米機という専用の機械を使います。

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業務用精米機

精米機に玄米を入れて稼働させると、精米機は空気を取り込んで内部で強い気流を作ります。気流によって玄米同士がぶつかり合うと、玄米表面についている米ぬかと胚芽は剥がれ落ちます。これらが剥がれて残った粒が白米です。白米は、備え付けの精米タンクに集められます。

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一方、米ぬかは精米機内で玄米から剥がれると粉状になり、米ぬかを集めるタンクへと送られます。この途中にある配管内で、粉状の米ぬかの一部が付着します。米ぬかのおよそ20パーセントは油脂成分で、サラサラではなく粘り気があります。そのため、米ぬかは油脂のもつ粘り気により、配管内にへばりついてしまうのです。

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配管内にたまった米ぬかをそのままにしておくと、米ぬかは空気に触れて酸化し、色が黒ずんできます。これは、衛生面で好ましくありません。精米中に黒ずんだ米ぬかの一部が剥がれ落ちて、白米容器の中に混入するおそれがあるからです。混入に気がつかずに出荷してしまうと、消費者や取引先から衛生管理を問われる事態を招きます。精米業者にとっては信用問題にもなりかねないため、米ぬかの付着には神経を尖らせています。

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付着した米ぬかの清掃作業は大がかり

黒ずんだ米ぬかを白米に混入させないために、精米機は定期的に清掃して、付着した米ぬかを除去しなければなりません。

米ぬかは主に、精米機の配管内に付着しています。清掃するには精米機を停止させます。その後、配管内にある清掃用の扉を開け、空圧洗浄により米ぬかを除去します。

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業務用大型精米機の清掃となると、時間も人手もかかる大がかりな作業となります。季節によっては、月に2回ほど清掃を行わなければならないといいます。精米業者にとっては、精米機内にたまった米ぬかの清掃作業を効率化したいところです。

ヒーターで加熱することで米ぬかを効率的に除去可能に

配管内への米ぬか付着は、夏よりも冬に起こりやすくなります。背景にあるのは湿気です。精米機を置いてある建物内は冬に暖房をつけない場合が多く、気温が低いと配管内側は湿気が結露して水分が付着します。この水分が精米時に米ぬかをつきやすくさせてしまうのです。

米ぬか付着を防ぐには、配管内部の湿気を減らすのが効果的です。その方法として、配管を外側から温めることで内側に水分をつかせないようにします。精米業者の中には、配管のそばに白熱球投光器を置いて、白熱球から出る熱(輻射熱)で配管を温めて対策をとっています。しかし、この方法では加熱にムラができるといった短所があります。また、投光器も輻射熱がほとんど出ないLED電球が使われるようになり、長期的に利用できる見込みはありません。

参考:冬の配管凍結防止対策、白熱球投光器からヒーターで"卒"昭和

精米業者が抱える米ぬか付着の問題解決に提案したいのが、ヒーターによる配管の加熱です。シリコンラバー製のヒーターを配管に取り付けて加熱することで、配管内側に結露した水分を取り除くことができます。シリコンラバーは柔軟性があるため配管に密着でき、ムラのない加熱が可能です。そのため、配管内側の水分を一様に取り除けます。

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大型精米機の配管にヒーターを取り付けた例

配管を温めるのに適した弊社製品として、シリコンスパイラルヒーターがあります。シリコンスパイラルヒーターは、らせん状(スパイラル)のヒーターで、電話機などで見かけるカールコードのような形状をしています。配管に巻き付けやすいのが特徴で、巻き付ける際に耐熱テープで固定します。加熱できる温度は最高で80度です。

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シリコンスパイラルヒーター

配管用ヒーターを使用するには、温度を制御するためのコントローラーと測定用のセンサーも必要です。弊社では、これらをセットにした製品「ほっと管」を用意しています。

今回のような米ぬかの付着を抑制するには、ヒーターのサイズを配管の太さや形状に合わせないと望むような効果が得られません。つまり、特注品として製作するのが最適です。弊社では、精米業者向け米ぬか付着対策用ヒーターのオーダーメイド商品として「ヌカ玉バスター」も販売しています。自社保有の精米機にぴったりの専用ヒーターをお作りいたします。ぜひ、ご検討ください。

ヒーターを通じて日本の食文化の一助になりたい

お米は私たちの食事に欠かせない食材です。お米を使った料理は、日本の食文化の象徴ともいえるでしょう。ご飯に味噌汁、そして魚料理や肉料理を組み合わせた献立は、日本の食文化そのものを感じさせてくれます。

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異物の混入がない、安心・安全なお米を消費者に提供するのは日本の食文化発展にもつながる大切な社会貢献です。この社会貢献を弊社が取り組めることは意義があると考えています。炊飯器でおいしいご飯を炊くために、ヒーターは大きな役割を担っています。それに加えて、精米への寄与で日本の食文化の一助になれるのは大変光栄なことです。私たちは、日本の食文化への思いを込め、あらためてヒーター作りに精を出しています。

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