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PROPAK ASIA 2022で初の海外出展、タイを舞台に新たな拠点作りをめざす
2022年09月01日
中山 勉
我が社のモットーは、新しい取り組みに挑戦すること。その一環として、6月に海外の展示会で初めてのブース出展を果たしました。会場はタイのバンコクです。さまざまな国の人が大勢集まる国際ビジネスイベントに私、中山と弊社松本は一躍奮闘してきました。
* 上の写真はバンコク国際空港に飾ってあったオブジェです。
タイで開催のPROPAK ASIA 2022にブースを出展
今回出展したのは、PROPAK ASIA 2022という展示会です。食品や衛生品の包装を手がけるアジア系企業が集い、自社製品を紹介する国際的なビジネスイベントです。2022年06月15日から18日までの4日間、バンコク東部にある「バンコク国際貿易展示場(BITEC)」で開催しました。
出展しているのはアジア系企業が中心です。国別に見ると地元タイが多く、シンガポールやインドネシアなどタイ周辺国のほか、インドや台湾からの参加も見かけました。中国企業は、上海で新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのロックダウン措置が執られたこともあり、出展数は少なかったです。日本企業は単独での展示もありましたが、日本食品機械工業会(FOOMA)が参加して、同会が出展を希望する日本企業向けにブース区画を提供してくれました。弊社は、このFOOMAが用意したブースを借りて、初の海外出展を果たした次第です。
身振り手振りを織り交ぜながら英語で必死にアピール
日本の展示会では、開催初日に会場入り口でテープカットといったオープニングセレモニーを催しますが、こちらでは何の行事もないまま静かに開幕しました。開始時刻を過ぎると、少しずつ各社ブースに来場者が訪れ始めました。30代から40代が多く、比較的若い顔ぶれが目立ちます。
私たちも所定のブースに自社製品を並べ、来訪者を迎える準備を整えました。食品関連の展示会とあって、衛生面に優れたシリコンラバーヒーターを中心に展示しました。
ブース出展にあたり、現地でビジネス通訳を2人雇いました。日本語、英語、タイ語の三カ国語ができる優秀な方達です。とはいえ、私たちも任せきりにはしていられません。練習してきた英会話を駆使しながら、積極的に来訪者へ売り込みをかけました。
訪れた人の多くは地元タイの人が多く、それ以外のアジア系の人もほとんどが英語を母国語としていません。そのため、身振り手振りを混ぜながらの英語でも結構通じました。「We make heaters!」でも話がわかってくれたのはうれしかったです。あとは通訳の人の助けを借りつつ、実物を見せながら自社製品のアピールに専念しました。タイの人が訪れたときは、このときのために覚えた、タイ語の「こんにちは」である「สวัสดีครับ(サワディークラップ)」と声をかけて呼び込みました。
さらに、FOOMAのブースで展示している企業5社が順番で15分間、自社の紹介や開発している製品をアピールしあいました。弊社も、私と松本の二人で自社の紹介やヒーターを使ったさまざまな活用事例を紹介するとともに、実物を見せてのプレゼンテーションを行いました。
英語でのプレゼンテーションは緊張の連続でした。それでも無事にやり遂げることができ、大役をこなしました。
電気ヒーターが知られていない現状に商機
展示会も日を重ねるごとに来訪者が増えてきました。私たちもいつのまにか英語でのやりとりに慣れてきて、来訪者からの質問にもすぐさま答えられるようになりました。すると、日本とは違ったヒーターに対する認識の違いがあることに気がつきました。
タイではヒーターというとスチームヒーターが主流で、電気ヒーターはあまり知られていないのです。
温暖な気候のタイでも、産業用などにヒーターは使われています。ところが、用いられているのは水蒸気式のヒーターばかりだというのです。それもあってか、電気ヒーターを見たのは初めてという人もいたほどでした。そこで、電気ヒーターは安全な加熱ができ、温度調節も正確にできるといった利点を説明すると、興味・関心をもってくれたのです。
来訪者の業種を尋ねたところ、食品メーカーや、食品機器メーカーのほか、飲食店経営者、商社代理店、すし店を営む人と多岐にわたりました。どの業種の人も弊社のヒーターに強い関心を寄せてくれました。電気ヒーターへの注目の高さに、アジアでの展開に商機があると実感しました。
タイで海外進出の足がかりを築きたい
開催最終日になると、商談も増えてきました。ここでも大きな出来事がありました。それは、
「あなたの会社の電気ヒーターはどこで売ってるんだい?」
「タイの店で買うことはできるのかい?」
といった、購入の相談です。
弊社製品は、国内向けにオンラインで注文・購入ができます。加えて、海外向けには英語のオンラインショップを開設しています。それを利用してもらう以外にも、現地で製品を販売できるようにすれば、海外事業への展開が本格的にできそうです。
今回のPROPAK ASIA 2022への参加は、初の海外展示以外に、弊社の海外進出への足がかりを築きたいという思いがあります。その思いを叶える確かな手応えを得たのは大きな成果です。
帰国後、商談をした相手に弊社からメッセージを送りました。すると、弊社ヒーターへの興味・関心は変わらず、今後も関係を維持したいとの返信が数多く寄せられています。
収穫から反省点まで何もかもが初体験
4日間の開催日程を終え、会期中にたくさんの人との出会いがありました。特に、タイの知り合いがたくさんできたのはうれしい限りです。通訳の2人も連日とてもがんばってくれました。タイ語でありがとうの「ขอขอบคุณ(コープ クン)」をこの場で伝えたいです。
私にとって、今回のタイ出張は何もかもが初体験でした。海外出張はもちろん、英語での商品説明やプレゼンテーションはよい経験になりました。そして、もっと英語を勉強しなければと痛感しています。
反省点もあります。タイ入国時に空港でヒーターなどの展示品を持ち込む際の手続きに手間取ったことです。工業製品の手続きが不慣れだったために、手続きを済ませるのに2時間もかかりました。海外旅行とビジネス出張の違いを学ぶことができ、次回の教訓にしたいです。
ちなみに私は辛い食べ物が苦手です。それが、今回のタイ出張で食べられるようになりました。辛さで知られるあのパクチーも慣れました。
PROPAK ASIA 2022への参加は、グローバルなビジネスマンへの第一歩になったといったら大げさですが、そんな思いが胸の内に芽生えました。この経験を活かして、もっとよい成果につなげていきたいです。
- 中山 勉
- 「困っている人の力になりたい」微力でも何かあったら思い出してもらえるようなひとになりたいです。