食品製造総合展 FOOMA JAPAN 2023 に初出展、来訪者の「ヒーターを見たい」に手応え

2023年6月6日から9日の4日間、食品産業界の大規模展示会「FOOMA JAPAN 2023」が東京ビッグサイトにて開催されました。この展示会に、弊社は初めてブース出展をしました。出展社数や来場者数の多さに圧倒されつつも、来訪者からの「ヒーターを見たい。」に、これまでにないビジネスチャンスを感じ取りました。

今回のFOOMA JAPAN 2023でのブースの様子を紹介します。

食品産業界では世界最大級の展示会 FOOMA JAPAN

FOOMA JAPANは、一般社団法人 日本食品機械工業会が主催する食品製造をテーマにしたビジネス展示イベントです。大手から町工場、スタートアップまで、食品産業界に携わる企業が一堂に集まり、独自の技術で開発した食品製造業向けの製品や技術、サービスを披露し、商談や人脈作りを繰り広げています。

FOOMA JAPAN 2023特設サイト

FOOMA JAPANは、食品産業分野での展示会としては世界最大級を誇ります。会場の東京ビッグサイト東展示棟8ホールすべてを借り切るほどです。46回目となる今回の開催では、出店企業は969社、総来場者数は10万6,104人と、過去最多となりました。

出展社の展示内容は多岐にわたります。AIとロボット技術を駆使した食品加工処理や、食材を入れるだけで加工食品を大量に生産できる自動化システムは見ていて圧巻です。

ほかにも、衛生用品、包装技術、調理器具、防虫対策など、食生活に関連する技術や製品を目にすることができます。

弊社ヒーター製品も、食材の加熱や保温、凝固防止などで活用されています。昨年はタイのバンコクで開催された、食品などの包装を扱う国際展示会「PROPACK ASIA 2022」に出展し、食品業界の人とのつながりを得ることができました。

参考：PROPAK ASIA 2022で初の海外出展、タイを舞台に新たな拠点作りをめざす

この成果をふまえ、今年は国内で開催する食品関連の展示会に参加しようと、FOOMA JAPANへの出展に挑みました。

定評の配管用ヒーターに加え、コンテナ用ジャケットヒーターも展示

食品産業に関連した展示会とあり、弊社ブースでは食品加工会社や飲食店から問い合わせや注文を受けた製品を中心に展示を行いました。

ひとつめは、配管用ヒーターです。配管用ヒーターは、温めたチョコレートなど液状に溶かした材料を配管を通じて加工ラインに流す際に、冷めて凝固しないよう配管の外から加熱するのに用いられます。手軽に扱える製品の中から、シリコンラバーを用いた配管用ヒーターと、新たに取り扱いを始めたテクヒーターを展示しました。

参考：タイの展示会で成果、現地の菓子工場と缶詰工場からヒーターの商談

ふたつめは、断熱素材です。保温や熱が逃げるのを防ぐのに用いられます。今回は、金属検知のできる新素材「KINZO」と、シリコンスポンジの2製品を展示しました。

KINZOは断熱効果に加え、金属探知機で検出できる新素材です。KINZOでパッキンを作れば、経年劣化による腐食で生産ライン上にパッキンの一部が破片として欠け落ちたとしても、金属探知機で見つけ出すことができます。食品製造ラインでの異物混入を防ぎ、食の安全を保つのに役立ちます。

参考：金属探知機に反応するシリコンスポンジKINZO、食品製造工程で異物混入防止に新機軸

シリコンスポンジは、弊社が長年に渡り製作・販売している製品です。加熱中の器具や部品を覆ったり、容器の下に敷くなどして断熱効果を与え、保温や人が手に触れてもやけどをしないよう安全を確保するのに重宝します。要望に応じた形状に加工して納品できるのも特徴です。

参考：保温カバーやシリコンスポンジを活用した電気代節約術

さらに、試作中のコンテナ用ジャケットヒーターの展示もしました。液体や液状の材料を輸送中に凍ったり固化したりしないようにするための保温ヒーターとして開発を進めています。食材を液状のまま輸送したいときに役立つと考え、参考出品としてお披露目させました。

このジャケットヒーターは、IBCコンテナへの応用も検討しています。IBCコンテナとは、1,000リットル（ドラム缶5本分の容量）の液体を入れられる直方体の輸送用ポリタンクです。食材に限らず、溶剤を液体のまま運べる輸送用保温ヒーターとして試作を重ねています。

来訪者の「御社のヒーターを見たい」に今までにはない手応え

これまで弊社は、スマートファクトリー JapanやPROPACK ASIAなど、国内外のさまざまな展示会に出展してきました。今回のFOOMA JAPANでは、今までの出展では経験したことのない出来事がありました。それは、来訪者からのこの一言です。

「ヒーターを見に来ました。」

来訪者の多くは、最初からヒーターを見たいという目的をもって弊社ブースに足を運んできたのです。順番にブースを巡って挨拶に来たというのではありませんでした。

FOOMA JAPANは出展企業が1,000社近くあり、ブースも8ホールに分散しています。この規模となると、参加企業側も担当者全員で手分けしてもすべてのブースを回りきれません。そこで、企業担当者は事前に出展企業の展示内容に目を通し、見たいブースを絞り込んで訪問しています。弊社ブースには、ヒーターに関心がある食品製造業の担当者が多数訪れました、こうした人の多くは食品の保温や加熱に悩みを抱えていたといいます。事情を聞きながら目的にあう製品をその場で提案できたのは、これまでのブース展示にはない成果でした。

運営事務局によると、次回のFOOMA JAPAN 2024は2024年6月4日から7日までの開催を予定しています。大きな手応えのあった今回の初出展、願わくは来年も出展したいと胸を熱くしています。実現が叶えば、もっと広いブースを構えて、たくさんの製品を並べて来訪者を迎えたいと、今から意欲をみなぎらせています。