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スマートファクトリーJapan 2022出展、テクヒーター、透明フィルムヒーター、&FIBERSをアピール

2022年10月19日から21日までの3日間、東京ビッグサイトにて日刊工業新聞社主催の「スマートファクトリーJapan 2022」が開催されました。弊社は毎年、この展示会に出展していて、訪れた人に事業の紹介や製品の売り込みをしています。

昨年のブース展示の様子はこちら

今年は弊社が新規事業として展開を進めているテクヒーター、透明フィルムヒーター、そして新ブランドの&FIBERS by HOTOPIAを精力的にアピールしました。

スマートファクトリー Japan 2022へ来場できなかった方のために、初の試みとしてブース展示の様子を解説を交えながら動画に収録しました。まずはご覧ください。

今回のブログは、動画で説明しきれなかった新製品について、より詳しく取りあげます。

温度センサー不要のテクヒーター

ひとつめは、ケーブル状のヒーターであるテクヒーターです。テクヒーターは積水化成品工業株式会社が開発したもので、最大の特徴は温度コントローラーや温度センサーを用意せず、ヒーター単体だけで使用できる点です。

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テクヒーターは、加熱温度を一定に保つことができる「自己温度制御型」のヒーターです。本体内部に温度制御をする回路が組み込まれていて、周囲の温度が高くなると電力を落とし、低くなると電力を上げる動作をします。温度は80度程度まで制御することができます。

通常、ヒーターを使用して熱をかけるときは、温度コントローラーと温度センサーの2つも用意しなくてはなりません。たくさんの配管にヒーターを取り付ける場合は、ヒーターの数だけ温度コントローラーと温度センサーも必要なため費用がかかります。しかも、取り付けが面倒なだけでなく、温度管理も煩雑になります。テクヒーターは、こうした難点を解決できる画期的なヒーターなのです。

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テクヒーターはケーブル長が5メートルほど必要な用途にも利用できます(最長50メートル)。柔軟性にも優れていて、長い配管や口径の広い大型容器を端から端まで巻き付けて加熱することも可能です。電源は100V用と200V用の2種類を用意しています。本体をコンセントに差し込むだけで配管や大型容器を温められるのは、産業用機器を安全かつ効率的に稼働できます。

弊社は、これまで蓄積してきたヒーターの取り付けノウハウを生かして、このテクヒーターの販売を手がけていきたいと考えています。

※ テクヒーターは積水化成品工業株式会社の登録商標です。

透明で折り曲げても取り付けられるフィルムヒーター

ふたつめは、透明フィルムヒーターです。透明フィルムヒーターは、透過性のあるプラスチックフィルムを重ね合わせた平板ヒーターです。加熱面に密着させるためのPETフィルムの上に、電極のついた加熱用の導電フィルムを載せ、その上に電極保護と絶縁を担う保護フィルムを重ねた3層構造をしています。薄さは0.1ミリから0.4ミリで、一般的なクリアファイルの厚さ(0.2ミリ〜0.3ミリ)とほぼ同じくらいです。透明度も十分で、ガラス面に貼り付けてもやや暗くなる程度で見た目に大きな変化はありません。

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透明フィルムヒーターは、シリコンラバーヒーターにはない長所があります。ひとつは薄さによる柔軟性です。シリコンラバーヒーターは厚さが1.5ミリほどあります。前述の通り、透明フィルムヒーターの厚さは0.2ミリ弱で、シリコンラバーヒーターよりも薄いです。そのため、曲面のあるガラス容器にも、巻いて貼り付けるのが容易です。もうひとつは、透けて見える視認性です。シリコンラバーヒーターはガラス容器に取り付けてしまうと側面内部が見えません。透明フィルムヒーターであれば、加熱しながらでも容器全体を見られるので、色の変化といった状態を観察できます。

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活用の幅も広く、ガラス容器の加熱だけでなく、窓ガラスの結露防止にも有用です。外からの光を遮ったり、外観を損なったりすることなく加熱による結露の防止ができます。また、空調機などの結露防止にも役立ちます。機器外観の見栄えをそのままに保ちながら加熱できます。しかも、均質に加熱できるため、加熱ムラを生じることもありません。

ただし、PETフィルムを素材としているため、加熱は80度〜100度程度までしかできません。この点は、200度程度まで加熱できるシリコンラバーヒーターに劣ります。

動画では取りあげていませんが、透明フィルムヒーターにはもう一種類あります。アルミの細線パターン印刷したアルミ箔フィルムヒーターです。アルミを幅1ミリ程度の細線パターンにしてフィルムの上に印刷してあり、両端に電気をかけるとフィルム全体が加熱します。下の右側の写真はアルミ箔フィルムヒーターを拡大したもので、薄い灰色の線がアルミ箔です。

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アルミ箔フィルムヒーターは、見た目や透過性は前述の透明フィルムヒーターより劣りますが、ステアリングヒーターやハンドルヒーターといった加熱を必要とする自動車部品への応用が期待できます。

発熱繊維で作るヒーター製品の新ブランド &FIBERS by HOTOPIA

最後は、弊社が推し進めているヒーター製品の新ブランド「&FIBERS by HOTOPIA」です。株式会社三機コンシスが開発した繊維ヒーター(HOTOPIA)を用いて、新たな製品を世に送り出そうという目的で立ち上げました。

&FIBERS by HOTOPIAオフィシャルサイト

HOTOPIAは、銀繊維を編み上げた布状の素材で、軽量で伸縮性があります。しかも、電気をかけると発熱作用をもっています。これらの特長を生かした応用として、ウォームジャケットがあります。

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ウォームジャケットは、ヒーターを内蔵した防寒着です。体が温まりやすいことから近年人気を集めています。こうした背景から、HOTOPIAの布製ヒーターを用いたウォームジャケットの販売を進めています。

使い方は、専用のバッテリーをジャケットのポケットに入れ、内側についている電極につなげます。すると、背中に縫製した布製ヒーターが発熱し、ジャケットの内側から体を温めてくれます。ヒーターの加熱温度は、スマートフォンの専用アプリで調節できます。

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&FIBERS by HOTOPIAでは、ウォームジャケットのほかに布製ヒーターを用いたぬいぐるみやクッションなどの商品化も推し進めています。

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これまで弊社は、産業用機器向けのヒーターを製造・販売してきました。新たに立ち上げた&FIBERS by HOTOPIAをきっかけに、今後は民生品の開拓にも力を入れていきたいと考えています。

※ HOTOPIAは株式会社三機コンシスの登録商標です。

ブース展示はいつも収穫の手応えあり

今年もブースにはたくさんの人が訪れ、弊社製品のアピールができただけでなく、新しい出会いもたくさんありました。最終日に総評を収録しましたのでご覧ください。

ブース展示は、同業他社同士での相談事や、ふだん接点のない業種の人と交流できるのが大きな収穫となります。今後は、国内展示会だけでなく海外の展示会にも積極的に出展して、出会いを広げていきたいです。

来年のスマートファクトリーJapanにも出展を考えています。みなさん、ぜひお会いしましょう!

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