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配管のヒートトレース導入ガイド|安定稼働と省エネを実現する方法

冬の冷え込みや設備停止中に配管が凍り、ラインが止まってしまった――そんな経験はありませんか。中の液体が固まって品質が落ちたり、配管が詰まって大慌てになることもあるでしょう。しかも最近は、省エネも強く求められる時代。トラブルを防ぎつつ電気代を抑え、工場を止めない仕組みづくりは設備担当者にとって欠かせないテーマです。

この記事では、ヒートトレースを使って配管の凍結や温度トラブルを防ぎ、省エネも両立する方法をわかりやすく紹介します。基本のしくみから機器の選び方、導入後の運用までを順にたどれば、自社に合った最適なプランが見えてきます。

はじめに|配管の温度管理が欠かせない理由

配管の温度を守ることは、単に「温める」だけの話ではありません。凍結で配管が破裂すれば修理費がかさみ、わずかな停止でも大きな損失が出ます。食品や化学品の工場なら、温度が下がるだけで固まったり性質が変わったりして製品ロスが発生。最悪の場合、圧力が上がって事故につながることもあります。だからこそ温度管理は、安全・品質・コストを守る土台になるのです。

ヒートトレースとは?しくみと役割

ヒートトレースは、配管やタンクにヒーターケーブルなどを沿わせて温めるしくみです。寒さで凍るのを防ぐだけでなく、製造工程で決められた温度をキープし、中身の品質や流れやすさを保ちます。多くの工場で必需品となっている理由は、次の2つの働きが大きいからです。

  1. 凍結防止:水や薬液が凍って設備が止まるのを防ぎます。
  2. プロセス温度維持:チョコレートや薬液など、温度が変わると固まったり性質が変わったりする流体を適温に保ちます。

電気式ではヒーターケーブルが熱源。とくに「自己制御型ヒーター」は周囲温度で発熱量を自動調整し、無駄な加熱や焼損を防げるので扱いやすい方式として広く使われています。

ヒートトレースの代表的な用途

ヒートトレースは配管だけでなく、さまざまな場所で役立ちます。ここでは工場でよくある3つのシーンを紹介します。

凍結防止(水道管・消火配管など)

水道やスプリンクラーが凍ると、給水停止や配管破損でライン全体が止まる恐れがあります。計装配管が凍ると計測値に狂いが出て制御にも影響が及びます。ヒートトレースを巻いておけば、こうしたリスクを手軽に減らせます。

プロセス温度維持(食品・化学プラント)

チョコレートや糖蜜のように冷えると固まる材料、薬品や高粘度液など温度管理が厳しい流体には、ヒートトレースが欠かせません。適温を保つことでライン詰まりや品質劣化を防ぎ、再加熱にかかる時間やエネルギーも節約できます。

融雪

雪国の工場では、歩道やスロープ、屋根のつらら防止、雪庇対策にヒーターを敷くことで氷雪を自動で解かし、転倒やスリップ事故を防げます。安全対策としても有効です。

ヒートトレースの種類と特徴

ヒーターの加熱方法は大きく「電気式」と「蒸気式」に分かれます。電気式は温度制御がしやすく、配線だけでOK。蒸気式は一度に大きな熱を出せるため、すでに蒸気配管を持つ大型プラントで有利です。ただし蒸気は配管の損失やドレン処理に手間がかかります。最近は省エネとデジタル制御に強い電気式が主流です。

電気式ヒーターを選ぶポイント

電気式ヒートトレースには代表的に2タイプあります。

自己制御型ヒーター

温度が下がる場所でよく発熱し、上がると抑えるかしこいヒーター。配管上で切って使え、施工が簡単。重ね付けもできて安全ですが、スタート時に大きな突入電流が流れるためブレーカー選びに注意が必要です。また細かな温度設定をしたいときは、外付けセンサーと調節計が必要です。

スリーハイでは自己制御型ヒーター「テクヒーター」シリーズを取り扱っています。PTCセラミックスを用いた自己温度制御により配管を過熱から守ります。細かな出力ラインナップを用意、定格電圧100V/200Vの両対応で現場寸法に合わせて任意長でカットでき、豊富な採用実績があります。

自己温度制御ヒーター
テクヒーターのご紹介
テクヒーター

電力制限型ヒーター(コンスタントワット)

常に一定の熱を出すタイプ。高温が必要な配管や長い距離の保温向きです。ただしケーブルが重なると過熱しやすいため、正しい取り付けが欠かせません。温度制御も別途行う前提で使います。

ベルトヒーターコードヒーターは別途温度制御を行う必要があり、温度コントローラー温度センサーと併用していだく製品です。

【実践】ヒートトレースを選ぶ4ステップ

ここからは、具体的にシステムを選ぶ手順を4ステップで説明します。

STEP1:要求仕様を洗い出す

最初にやるべきは「どんな配管を何℃で保ちたいか」をはっきりさせることです。配管の材質・口径・長さ、バルブやフランジの数、屋内外や風の有無、最低気温などを調べて一覧にします。ここがあいまいだと、あとで熱量計算が狂い、余計なコストやトラブルを招く懸念があります。

STEP2:必要な熱量を計算する

配管から逃げる熱をつかみ、そのぶんをヒーターで補います。ポイントは「配管の表面積」「中と外の温度差」「保温材の性能と厚み」の3つ。無料計算ツールを使えば、入力するだけで放熱量とおすすめヒーターを自動で出してくれるので便利です。

STEP3:ヒーターと制御方式を選ぶ

計算結果と条件をもとに、自己制御型・電力制限型などから最適なものを選びます。薬液なら耐薬品タイプなど、追加要件もチェック。さらにセンサーや温度調節計と組み合わせた制御が必要かも検討し、省エネと安定稼働を両立させましょう。

STEP4:保温材で省エネ効果を伸ばす

ヒーターだけでなく保温材も重要です。厚みを少し増やすだけで放熱が減り、電気代を大幅にカットできるケースも少なくありません。ヒーターの最高温度に耐えられる材質を選び、トータルコストで得する組み合わせを考えましょう。

熱量計算や製品選定については、お問い合わせいただきましたら、現場訪問からご提案まで承っております。
ご不明点は、まずお問い合わせください。

施工と運用で性能を引き出すコツ

選定が終わっても、取り付けと運用が雑だと本来の力は出ません。ここではよくあるポイントをまとめました。

施工で気をつけること

  1. ヒーターはガラスクロステープやアルミテープで配管にすき間なく密着させる。
  2. ケーブル同士を重ねたり交差させたりしない。※テクヒーターなら交差も問題ございません
  3. バルブやフランジには余長を取ってしっかり巻く。
  4. 各回路に過電流遮断器と漏電遮断器を設置する。自己制御型は突入電流が大きいので対応品を選ぶ。

長く使うための運用ポイント

夏など不要な時期は電源を切り、ムダな電力を節約。年1回は保温材の濡れや破れ、端末部の水入り、遮断器の動作を点検しましょう。小さな異常を早めに見つければ、大きな故障や停電を防げます。

よくあるトラブルと対処法

  • まったく温まらない→ブレーカーが落ちていないか、配線やヒーターの断線をチェック。
  • 一部だけ冷たい→その部分のケーブルが傷んでいるか、施工ミスの可能性あり。
  • 漏電ブレーカーがよく落ちる→端末部の浸水や被覆損傷で絶縁不良かも。まず電源を切り、導通・絶縁を測定し、必要なら専門業者に相談です。

まとめ|ヒートトレースで「止まらない工場」をめざそう

ヒートトレースは、配管の凍結防止だけでなく、製品の品質維持や省エネにも効く頼れる味方です。記事で紹介した4ステップ「要求仕様→熱量計算→ヒーター&制御選定→保温材選び」をしっかり踏めば、ムダなく確実なシステムが組めます。ヒートトレースを上手に活用し、安心とコストダウンを両立させましょう。スリーハイでは、導入から設置までしっかりサポートさせていただきます。お困りの際はぜひお問い合わせください。

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