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  • 営業レポート

北海道ニュービジネス協議会 新年会に参加して(Day1)-2026.1.28

北海道に向かう前、私は桐蔭横浜大学での講演を終え、その足で札幌へ向かいました。
移動の機内では、先ほどまで向き合っていた学生たちのレポートやフィードバックを、ゆっくりと読み返していました。そこには、こちらが意図して伝えたことだけでなく、思いもよらない受け取り方や、鋭い問いが並んでいます。
「なぜその判断をしたのか」「経営者として何を大切にしているのか」学生の問いは、いつも正直です。だからこそ、自分自身の判断や、自社の歩みを、ごまかしなく振り返る時間になります。

「いまの選択は、未来につながっているだろうか」「次に備える準備は、本当にできているだろうか」

機内という閉じた空間が、自然と内省を深めてくれました。そんな時間を経て降り立った札幌は、空気が張りつめるように冷たく、身体が一気に現実に引き戻されます。
その冷たさが、むしろ頭を冴えさせてくれるようでもありました。

100億円企業を目指して」というテーマの、その先を考える一日

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新年会の前、少し時間があったので札幌時計台の前を歩きました。
平日の夕方にもかかわらず、周囲は観光客であふれ、外国語が飛び交い、雪を踏みしめる音とシャッター音が絶え間なく聞こえてきます。何度も見てきたはずの時計台ですが、この日は不思議と足を止めて眺めてしまいました。

観光地としてのにぎやかさと、長い時間を背負ってきた建物の重み。その両方が同時に立ち上がっていて、これから向かう新年会が、単なる年中行事ではなく、「いまの北海道」を考える場なのだと、自然と気持ちが切り替わっていきました。

会は、小砂会長のご挨拶から始まりました。
北海道経済全体を俯瞰するマクロの視点と、その中で一社一社がどう動くかというミクロの視点を行き来するお話は、今回も印象的でした。道内産業の活性化に、常に本気で向き合い続けてきた方なのだということが、言葉の端々から伝わってきます。

講演のテーマは、「100億円企業を目指して」。
登壇されたのは、株式会社エフリードの藤江社長でした。

この「100億」という言葉は、いま中小企業庁が進めている「100億宣言」とも重なります。
100億宣言」とは、中小企業が飛躍的成長を遂げるために、経営者自らが売上高100億円という野心的な目標を掲げ、その実現に向けた取組を行っていくことを宣言する制度です。宣言を行った企業は、補助金・税制の活用に加え、地域や業種を越えて成長を目指す経営者同士がつながるネットワークへの参加や、100億企業成長ポータルへの掲載など、国からの後押しを受けることができます。

その文脈の中で語られた藤江社長の話は、制度の説明ではなく、実際にそのステージを目指してきた経営者の実感に満ちたものでした。

藤江社長にとって「100億円」はゴールではなく、あくまで通過点。その先に200億円、さらに企業として社会にどう還元していくかという未来像が据えられています。
「札幌で一番の技術力・施工力を持つ会社になる」という志と、「変化できる者だけが生き残る」という哲学が、一貫して語られていたのが印象的でした。

創業は、師匠の会社から独立せざるを得ない状況からのスタート。賃貸マンション建設という分野で事業を広げ、短期間で道内トップクラスの企業へと成長していきます。「札幌のシェアを取る」という明確な方針のもと、短期的な利益よりも、長期的な市場での存在感を優先する判断を積み重ねてきた過程が語られました。

やがて、若者の価値観の変化や人手不足といった社会環境の変化に直面し、従来のやり方だけでは通用しなくなる。そこで藤江社長は、事業モデルに固執せず、「事業転換」と「イノベーション」を選びます。そして会社が良い状態にある「今」だからこそ、未来への投資として横浜営業所を開所。事業が次のステージへ進みつつあることを、はっきりと感じさせる内容でした。

私自身、同じ横浜で事業を営む立場として、北海道から横浜へと挑戦の場を広げていく決断には、特別な親近感と嬉しさを覚えました。

さらに心を打たれたのは、企業の成長を社会への還元につなげようとする姿勢でした。売上200億円という目標も、「恵まれない環境にある子どもたちのために寺子屋をつくりたい」という想いを実現するための通過点。故郷・大樹町の子どもたちを札幌に招き、本物の職場や体験に触れてもらう取り組みを続けているという話は、企業の存在意義そのものを考えさせられるものでした。

個人的には、藤江社長が大学の三つ上の先輩であることもあり、遠い成功談ではなく、「少し先を歩く先輩の背中」として、その言葉を受け止めていました。

懇親会にて

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講演会のあと、会場を移して懇親会が行われました。
その場であらためて乾杯のご挨拶をされたのが、佐藤副会長です。ユーモアを交えた貫禄ある挨拶で、場の空気が一気に和らぎました。この日は隣の席でご一緒することができ、乾杯のあともいろいろなお話をさせていただきました。立場や肩書を超えて自然体で会話ができたことが、個人的にもとても嬉しい時間でした。

円卓を囲みながら、美味しい料理をいただき、いつもよくしていただいている銀行の方とも、道内経済の動きや、それぞれのビジネスの現場について率直な情報交換ができました。講演で聞いた話が、数字ではなく「現実の経営の話」として交わされる、温度のある時間だったと思います。

実はこの日、同じ会場では高市総理による選挙前の講演会も行われており、会場内外には厳重な警備が敷かれていました。間近で高市総理の姿を見ることができたことも含め、経営と政治という異なる世界が、同じ場所・同じ時間に重なっていることに、いまという時代の空気を強く感じさせられました。

閉会のご挨拶は髙田副会長。
締めの乾杯では、SAPPOROの「乾杯をもっとおいしく。」という言葉を少し変え、「乾杯、もっとその先に」。
100億円企業を目指して」というテーマを、未来へとつなぐ象徴的な一言で、会は美しく締めくくられました。

未来へ思いをはせる

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会が終わり、外に出るとマイナス8℃
雪を踏む音だけが静かに響く帰り道で、講演や懇親会で交わした言葉を、ゆっくりと反芻します。

藤江社長の講演を通じて、私は三つのことを強く感じました。

  • 自社の「変化の時」を見極めること。業績が良い「今」だからこそ、次の市場や技術への投資を考える必要があるということ。
  • 企業の社会的意義を問い直すこと。自分たちの仕事が、社員や顧客、そして社会にどんな価値を届けられるのかを言語化すること。
  • 未来への「準備」を始めること。こうなりたいというビジョンを明確にし、そのための技術、人材、仕組みを、焦らず着実に整えていくこと。

100億」という数字をそのまま追いかけるかどうかは、会社ごとに違う。
けれど、その数字の先にある世界を本気で描き、実際に動いている経営者がいるという事実は、確実に背中を押してくれました。

これからも、藤江社長の挑戦を、同じ時代を生きる経営者として、そして後輩として、心から応援していきたい。
冷たい夜道を歩きながら、そんなことを考えさせられた一日でした。

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