ヒーターブログ

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3Dスキャナ導入しました!複雑な形状の設備や配管への設置ご相談も可能です

よくお客様から「この形状、ヒーターつけられるのかな」とご相談いただきます。曲がりが多い配管、フランジやバルブが密集している箇所、保温材でデコボコしている外面、足場や架台が入り組んだ狭いスペースなどは、たしかに標準品だけだと厳しい場面が多いですよね。

スリーハイは、「難しそう」な場所こそ得意です。現場に伺って採寸し、ご要望にあわせたオーダーメイドを1つからお作りします。

最近、弊社は3Dスキャナを導入しました。お客様のご要望にお応えするにあたり、より難しい設置個所へのオーダーにも応えられるよう導入を検討していましたが、このたび導入に至りました!

これにより採寸の精度とスピードをぐっと高めることができました。この記事では、3Dスキャナを利用した採寸のメリットを現場目線で分かりやすくお話しします。

スリーハイのオーダーメイド対応の考え方

弊社が主に取り扱っているシリコーンラバーヒーターは、薄くて柔らかく、曲面にもフィットしやすいのが魅力です。配管やタンク外面の加熱、バルブ周りの凍結防止、治具の局所加熱など、用途はいろいろ。ポイントは、設置場所の形状や取り付け方法、電気仕様を「その場所に合わせて最適化」することです。フィット感が良いほど、熱効率も作業性も上がります。

設置が難しそうでも、まずは私たちが現場に行きます。採寸して周辺の様子を確認しながら、取り付けの工夫を一緒に考えます。例えば、こんな状況はありませんか。

  • 曲率が違う配管が連続していて、面で当てるのが難しい
  • フランジやバルブ、計測器が近接していて取り回しに制約がある
  • 高温設備のそばで、安全距離や断熱の配慮が必要
  • ラインが稼働中で、短時間で採寸を済ませたい
  • 足場やダクトが干渉して、手計測がしづらい

こうした条件下でも、比較的スムーズに採寸に伺うことが可能になりました。

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実際に採寸に伺った際の対象物。複雑な形状でも計測します。

現場採寸の大切さと従来の悩み

オーダーメイドの鍵は、初期の採寸です。以前はスケールやノギス、テープ、曲率ゲージを使って、写真やメモを頼りに図面化するのが一般的でした。ただ、複雑形状や狭い場所では次のような課題がありました。

  • 視点や角度が限られて、正確な寸法が取りづらい
  • 曲面の曲率、ボルト位置、周辺との干渉など三次元の関係が把握しにくい
  • 計測者によってバラつきが出やすい
  • 稼働時間や安全面の制約で、十分な時間をかけられない
  • 取りこぼしがあり、追加確認のため再訪が必要になる

現場で二度手間になるのは、お客様にとって負担となります。3Dスキャナを使うことで、お客様の負担も軽減できるのではないかと考えました。

Dスキャナ導入の背景

Dスキャナは、対象の形状を非接触で計測し、点群データとして保存できる機器です。建築・土木の分野での活用が有名ですが、製造業でも設備改修や治具設計などで広がっています。導入の決め手は、次のような要望が重なったからです。

  • 複雑形状でも短時間で必要な範囲を高精度に把握したい
  • 設計初期から干渉チェックを行い、試作回数を減らしたい
  • 写真やメモだけでは漏れがちな細部まで確実に反映したい
  • 設置後の保守や追加工にも使えるデータ資産を残したい

機器選定では、精度、持ち運びやすさ、安全性、屋内外対応、ソフトウェア連携を比較し、現場で扱いやすい機種を採用しました。ただ、やはりある程度の大きさはあるので、実際の採寸時は採寸場所へ発送し、お受取りをお願いする場合もあります...

Dスキャナで変わる採寸の進め方

Dスキャナを使うと、採寸は次のように進みます。

対象範囲をスキャンし、周辺設備も含めた形状データを取得します。非接触なので、稼働中の設備でも安全距離を保って計測可能です。手順としては以下のようになります。

  1. 得た点群データを専用ソフトで整理し、位置合わせやノイズ処理、メッシュ化を行って三次元モデルにまとめます。
  2. 三次元モデル上で、寸法やクリアランス、曲率、面の向きなどを確認し、取り付け条件を立体的に把握します。
  3. その結果をもとに、ヒーター形状、固定方式、リード線の取り出し位置、電源仕様、熱分布の考え方を最適化します。
  4. 必要に応じて周辺との干渉チェックを行い、取り付け手順や治具設計に反映します。

二次元ベースでは見過ごしがちな関係性を、設計にそのまま生かせるので、取り付け時の不確定要素がぐっと減ります。

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社内でスキャンしている様子です
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3Dスキャンデータが生成されました
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さらに合成写真を生成します
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スキャンデータをもとに寸法が取得されます

お客様にとってのメリット

Dスキャナの活用で、お客様に対しては次のようなメリットがあると感じています。

  • 設計精度が上がり、取り付けの適合率が向上
    現場での微調整が減り、ライン停止時間や作業負荷を抑えられます。
  • 計測時間が短くなり、再訪の可能性が下がる
    複雑な箇所でも短時間で全体を把握でき、取りこぼしを防げます。
  • 初期検証のスピードが上がる
    点群データから早く三次元モデル化できるため、レビューがスムーズです。
  • 干渉や安全面の事前確認がしやすい
    設備、配管、ケーブル、保温材、金具との干渉を事前にチェックできます。
  • 熱設計の妥当性が高まる
    不均一な接触面にも対応した熱分布を検討できるので、過熱や温度ムラのリスクを抑えられます。
  • 将来の改修にも役立つ
    設備更新時の追加ヒーターや設計変更に、過去の点群データを参照できます。

スリーハイの強みを活かしたご提案を

スリーハイの強みは、現場での採寸からオーダーメイド設計、製造、フォローまで一貫して対応できること。3Dスキャナの導入で、複雑な設置環境にも確かな根拠をもってご提案できるようになりました。営業の私の役割は、技術担当と連携しながら、目的の整理、計測計画の調整、仕様取りまとめ、スケジュールのご提案、導入後のフォローまでをつなぐことです。コミュニケーションはなるべく分かりやすく、楽しく。現場でもオンラインでも打ち合わせ可能です。お気軽にご相談ください。

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