- スリーハイの頭のなか
配管の断熱材 選び方完全ガイド|場所・形状・材質で最適な1本を選ぼう
2026年08月06日
勝又 月浪
配管の断熱材は、水やお湯・冷たい液体を運ぶパイプをまわりから包み、温度を保ちながら結露や凍結も防ぐ重要な部材です。この記事では、場所や形によってどんな配管の断熱材を選べばいいかを整理します。
配管に断熱材が必要な3つの理由|省エネ・結露・凍結防止
断熱材はパイプをただ覆うだけでなく、エネルギーの無駄や水滴のトラブル、冬の破裂事故を防ぐ大切なアイテムです。
省エネ|熱エネルギーの損失を防ぎ保温・保冷効果を維持する
お湯や冷水が運ばれる途中で温度が変わると、余分なエネルギーが必要になります。断熱材で熱の出入りを減らすと、空調や給湯に使う電気やガスを節約できます。
結露防止|配管表面の温度差による水滴の発生を抑える
冷たいパイプは空気を冷やし、水滴が付くことがあります。この水滴はカビや雨漏りのような被害を生むので、断熱でパイプ表面の温度を上げ、露点より高く保つことが必須です。
凍結防止|冬場の低温による配管の破損を防ぐ
冬に外のパイプが凍ると中の水が膨らみ破裂します。断熱材で熱を逃がさず、寒さを寄せつけないようにすれば、寒い地域だけでなく急な寒波でも配管を守れます。
【基本】配管の断熱材を選ぶ4つのポイント
断熱材は厚ければいい、というわけではありません。使う場所や温度、材料の特長など4つの観点で考えると失敗を減らせます。
1. 配管の用途と流体の温度で選ぶ
流れるものが冷たい水なのか熱い蒸気なのかで、向いている断熱材は変わります。高温ならガラス繊維など熱に強いもの、低温なら水分を通しにくい発泡プラスチック系が定番です。
なお、シリコンスポンジ系の断熱材は「-60~200℃」という幅広い温度域に対応しており、給水・給湯から工業用の配管まで使いやすい素材のひとつです。
2. 設置場所の環境(屋内・屋外)で選ぶ
湿気が多い部屋や雨ざらしの屋外ではカビや紫外線で傷みやすくなります。室内でも機械室のように結露しやすい場所では防水タイプが安心です。屋外では金属カバー(ラッキング)など追加の保護がほぼ必須になります。
3. 断熱材の「材質」の特徴で選ぶ
ガラス繊維、発泡プラスチック、シリコンスポンジ、セラミック系など、素材ごとに熱の伝えにくさや燃えにくさ、曲げやすさが違います。現場の防火ルール、予算、作業のしやすさを比べて決めましょう。
4. 断熱材の「形状」で選ぶ
真っすぐな部分はチューブ状、曲がりや分岐はテープや角紐、バルブまわりは着脱式カバーなど、形に合った製品を組み合わせると隙間ができにくく、作業時間も短くなります。
【材質別】配管の断熱材の種類と特徴を比較|何が違う?
よく使われる断熱材にはそれぞれ得意不得意があります。特徴を知ると選びやすくなります。
グラスウール・ロックウール(無機繊維系)
ガラスや岩石を細い繊維にしたもので、熱に強く燃えにくいのが長所です。お湯や蒸気の配管に向きます。ただし水を吸いやすいため、冷水管ではしっかり防湿しないと結露します。
ポリエチレンフォーム・硬質ウレタンフォーム(発泡プラスチック系)
小さな空気の泡をたくさん含み、水を通しにくい素材です。ポリエチレンはよく曲がり、作業しやすいので給水や給湯に多用されます。ウレタンはさらに断熱力が高く、冷媒管や冷凍設備によく使われます。
シリコーンスポンジ系
シリコンゴムを発泡させた断熱材で、柔軟性が高く、複雑な形状の配管にもフィットしやすいのが特長です。一般的に-60~200℃の範囲で使用でき(圧縮程度により異なります)、保温・断熱・凍結防止・耐熱クッションなど幅広い用途に対応します。
形状の展開も豊富で、直管には「チューブタイプ」、自由にカットして缶や配管に巻き付ける「シートタイプ(キャタピラタイプ)」、エルボなど複雑な形状には「角紐タイプ」が使われます。スリーハイでは1本・1枚から購入できるシリコンスポンジ断熱材を取り揃えています。
合成ゴム系(EPDM)
ゴムの仲間でとても柔らかく、パイプにピタッと密着します。温度変化や屋外の雨風にも強いため、エアコンの配管など幅広く使われます。
ケイ酸カルシウム
石灰とシリカを焼いて作る硬い素材で、とても高温に耐えます。工場の蒸気配管などで活躍しますが、曲げに弱いので曲がり部は切って組み立てる必要があります。
【場所・形状別】配管の断熱材の選び方|直線・エルボ・バルブ別に解説
配管は直線だけでなく曲がりや分岐、バルブなど形がさまざま。場所ごとに合った製品を選ぶと、ムダなくきれいに仕上がります。
直線部|施工が簡単な「チューブタイプ」がおすすめ
まっすぐな部分は筒状の断熱材をパイプに通すだけなので素早く仕上がります。つなぎ目も少なく、見た目がそろい、保温性能も安定します。
チューブタイプのメリット・デメリット
短時間で均一に仕上がる一方、すでに組んだ配管に入れるときはチューブを縦に割り、その割れ目をテープでしっかりふさがないとすき間ができるおそれがあります。
シリコンスポンジのチューブタイプは、背割れ加工+面ファスナー(マジックテープ)付きの製品もあり、既設配管への取り付けや取り外しがより簡単にできます。細管・チューブへの対応品も展開されています。
ワンタッチ式と非粘着式の違い
割れ目にあらかじめ両面テープが付いたワンタッチ式はとにかく速いですが、価格は上がります。工期とコストを見て選びましょう。
エルボ(曲がり)・チーズ(分岐)部|隙間なく施工できる「テープ」や「専用カバー」
L字やT字の部分は熱が逃げやすい弱点。曲がりに合わせて巻けるテープや、形ができているカバーを使うとすき間をふさげます。
テープ・角紐タイプのメリットと施工のコツ
テープや角紐タイプは自由に曲がりにフィットします。軽く引っ張りながら半分重ねて巻くと、ムラなくきれいに仕上がります。
シリコーンスポンジの角紐タイプは複雑な形状の配管にも巻きつけやすく、両面テープ付きも選べます。弁柄・白・ダークグレーの3色展開なので、景観や設備の色に合わせて選ぶこともできます。
エルボ・チーズ用カバーのメリットと選び方
工場成型のL字・T字カバーは取り付けが速く、見た目も整います。パイプの太さと直線部の断熱材の厚さに合うサイズを選ぶことが重要です。
バルブ・フランジ部|メンテナンス性に優れた「着脱式カバー」
点検が多いバルブまわりは、何度も外せるマジックテープ付きのジャケットカバーが便利です。外して再利用できるので、長い目で見るとコストが下がります。
屋外配管の断熱材選びで注意すべき2つのポイント
外にある配管は日差しや雨が直接当たるため、屋内より劣化が早いのが現実です。対策のカギは次の二つです。
耐候性と防水性|ラッキング(板金)仕上げの重要性
屋外では断熱材の上からステンレスやアルミの薄板でぐるりと包む「ラッキング」が標準です。金属が雨や衝撃から守り、長持ちさせます。
紫外線対策|耐候性テープや保護塗装で劣化を防ぐ
細いパイプなどラッキングが難しい場所は、紫外線に強いテープや専用塗料でカバーします。ひび割れや粉ふきを防ぎ、性能をキープできます。
配管断熱材の施工で失敗しないためのコツ3選
材料選びだけでなく、実際の施工方法が仕上がりを左右します。よくあるミスを防ぐポイントをまとめました。
隙間を作らない|熱橋(ヒートブリッジ)を防ぎ断熱効果を最大化する
つなぎ目のわずかな穴からでも熱は逃げます。接着剤をまんべんなく塗り、テープで密閉して空気の通り道をなくすことが必須です。
必要な断熱材の厚さを確認する|省エネ基準や仕様書をチェック
建物の種類や地域ごとに最低の厚さが決まっています。図面と仕様書を見比べ、手配前に足りない部分がないかを確認しましょう。
施工後のメンテナンス性も考慮して製品を選ぶ
完成後に点検や交換が必要になる場所には外せる部材を使うと、将来の作業が楽になります。これが長期的なコスト削減に直結します。
まとめ|配管の断熱材は場所と用途で選び分けてトラブルを防ごう
断熱材は配管を省エネ・結露防止・凍結防止の三つで守ります。直線はチューブタイプ、曲がりはテープや角紐タイプ、バルブは着脱式カバーなど、場所に合わせて選び分けることが建物・設備を長持ちさせる近道です。
スリーハイでは、シリコンスポンジ断熱材(チューブ・シート・角紐)を1本・1枚から取り扱っています。サイズやカラーのご相談、配管径に合わせた選定サポートも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

- 勝又 月浪
- お客様が抱える課題の解決を目指し、「温柔敦厚(おんじゅう-とんこう)」をモットーに、真心こめて対応していきます!



